最近、日によって欧州の信用不安の問題が増大したり、減退したりしている。それだけ根っこがまったく解決されていないことの表れであろうが、それにしても相場に向かうものとしては、今日は何が飛び出してくるのか、何に注目が集まるのか、一定しないので扱いづらい。
言うまでもなく決め打ちはご法度になり、是々非々でその場その場での対応が迫られることになる。昨日の欧州市場ではドル円は81円台の前半で、ユーロドルは1.31ちょうど近辺で始まった。テクニカルな動きで注意しておきたいのは、ドル円がアジア時間から上昇を続けてきており、なおまだ81円台をキープしていることだ。ともかくも相場の中心はユーロがらみになるのは当たり前のことで、その材料探しや妙な値動きをしていないかを探ることに全精力を傾けた。
昼間にユーロドルが1.31台を割り込んで失敗した直後なので、その買い戻しも激しいかもしれない。それでもそのときの押し目を下回ってきたならば、つまり1.3080とかを触り出すようなことにでもなれば、何が起こっているのか事実を確認するまでもなく、ユーロ売りでついていってみようと思う。
ユーロドルは下がり出したが、いまいちスプード感に欠ける。他に何か面白い動きはないかといろいろと他通貨を除いてみたりしていると、ユーロポンドが急落を始めているではないか!! これまでさんざん0.8220あたりで止められていた、あのユーロポンドが…。
ユーロドルは私がポジションを作れないくらいにそれほども下げていないので、きっとポンド固有の材料でもあったのだろうか。ともかくもユーロポンドが走り出している。それを見て私もユーロポンドを少々売り込んでみた。
ユーロポンドのショートは0.8199だった。これまでのサポートであった0.8220で買い戻しのストップ注文を置いておいたが、ユーロポンドなので20ポイントのアゲインストは正直言って、リスクの度合いが大きすぎる。出来れば10ポイント以内におさめたいところ。まあ、実際に0.82台に完全に戻してきて、0.8205とか触り出したら買い直さねばと思いながら、臨時的なストップロスだと思うことにした。
あれだけもんだのだから、ブレークした後の下げも急であって良さそうなものだが、一回目の押しは0.8185くらいまでで、2回目は0.8175あたりまで。1.30台に入ったユーロドルの下げも鈍くなってきたし、一方でポンドドルの上げも一服感が出ている。これではユーロポンドの下げを期待するのは難しい。
他のユーロクロスも堅調で、ユーロ円もユーロスイスも下がる気配はない。ユーロドルが1.31台に戻すような局面にでもなれば、そのときは文句なく買い戻そう、そう考えてニューヨーク市場にまで至った。ユーロポンドが大きくメクラれなかったから、持ち続けていられたのだが、ユーロポンドはくたびれる~。
米国株は前日とほぼ変わらずで始まって、それ自体がリスク相場の判断材料にはならなかった。しかし23時半に発表された石油在庫報告の中で、原油の在庫量が予想よりも大きく増加。それでもファーストアクションは原油価格の上昇だったので、それにつれて原油と正の相関関係の高いユーロは買い戻され、ユーロドルは1.31台に乗せてきた。
私は当初の規定通りにユーロポンドを0.8183で買い戻したが、その後もユーロポンドは低空飛行を続けている。ユーロで勝負をしようと思った私ではあったが、一日を通してみてもユーロドルは100ポイントの値幅もなく、終わってみれば大した相場展開ではなかったことになる。
今晩は経済指標がいくつか出るが、イベントとして注意しておかねばならないのは、スペインの長期債の入札であろう。2日前は短期債であったためなんとか無事に通過したが、果たして長期債の場合でも同じことが通用するかどうか。
信用不安が高まるかどうかの分かれ目にもなるので、夕方の17時半前後のユーロの値動きには要警戒だ。すでにユーロポンドの急落で、ユーロ自体の戻り売りのイントは強くなっている。ユーロドルも1.30台割れまで視野にとらえておく必要がありそうだ。
日本時間 17時00分
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