金曜日の欧州市場ではユーロ円が107円台で始まった。ほんのちょっと前までは104円台をやっていたのに。時間足で見直すと、いかにも堅調な足取りが確認できる。私は105円台や106円台で売ったりしていたのが、こうして後でみると無謀であったともいえるのである。
たしかにドル円は80円割れ寸前のところから脱し、目の前では82円台を目指す動きとなっている。ユーロドルも1.30割れを狙っていたのに今では1.32台乗せをトライしているので、その掛け算であるユーロ円がひたすら堅調なのもうなずける。
しかし株高やコモディティ高が進んでいるのかと言えば、そうした外部環境はまったくのレンジ相場を形成している。材料がミクロもマクロも良し悪しがこもごもだったせいもあって、それぞれに反応した結果ともいえる。クロス円の性質からして外部環境からのサポートがあったということではなさそうだ。
チャートにもみられるように、きれいな形であればあるほどテクニカルなムーブメントだったと判断しておいたほうが、今後の取引する際のアクションにも判断を誤らないで済みそうだ。
そう思い返して私はユーロ円をお拾いモードで臨むことにした。すでに107円台まで上がってきているので、なかなか買いづらいものがある。それでもどこかでロングにしないといけない。やはり何か指標の発表でポジションを作ってしまうしかない。
ドイツの景況指数の発表の前からユーロ会が進んで、ユーロ円は107.50をも超えてきた。最近はドイツのセンチメントがずっと改善しているので、今回も予想を上回るだろうという期待のなせるものだ。期待で買われ過ぎている分、反動も気になるので、私はこのステージはパスした。
こうなったら19時半のGEの決算の前に買ってみよう。そう思って待っていても、ユーロ円の押し目はあまりなく、結局、107.68で買うこととなった。まあ、押し目買いに押し目なしということなのだろう。高いところをつかんでいるのだから、アゲインストに行った場合の耐久性は弱い。あまり我慢もしたくない。とりあえず107.50で売りのストップ注文を置いて、米国市場の始まりに参入した。
GEの決算は良かったようで、グローベックスでの米国株が上昇するにともない、ユーロ円も107.95あたりまで上昇。このまま108.50くらいまで走ってほしかったが、さすがにロングポジションも相当にたまっていたのだろう。材料が出てしまえば、もう利食い売りが出てくるのみである。
ユーロ円は私のストップロスの手前まで降下し、私も観念した。しかし運よく、ギリギリのところでセーフ。もう一度、108円台乗せをトライしたが、果たせなかった。損切りがつかなかったことをラッキーと考えて、このポジションはこれでおしまいにした。
今週は週末に日銀の会合を控えているので、それに向けてのややリスクテークの動きに引っ張られやすいとは思う。それだけ日銀の政策に対する期待が強まっているのが実情だからだ。しかしながら、どうも週末をはさんで欧州の状況がきな臭い。
フランスの大統領選は予想されていた通りに、サルコジ大統領は劣勢で、極右政党も票を集めていた。オランダでは与党に協力してきた極右政党が、こちらも以前より反対を表明していた財政赤字の問題で、本当に反旗を翻したらしく、与党との協議は物別れに終わったようだ。欧州では政治的にも、不透明感が増している。
こうしたこともあって、これらの国々に加えて、もとからきな臭いと思われている国々の国債は売られて、またまた信用スプレッドは拡大している。ユーロドルは1.31台前半まで売られ、ユーロ円なども欧州市場に入ると、あっさりと106円台前半近くまでダイブしてしまった。
金曜日のユーロ円のポジションは時間足チャートで見てロングにしたもので、長めに持とうかとも考えていたくらいだったが、サポートであった107.48近辺はあっさりと、すでにアジア時間に割れてしまった(汗)。今晩のイベントはあまり多くないが、グローベックスでの米国株も大きく崩れてきているので、クロス円を売ってみようかな。
日本時間 17時40分
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