昨日はFOMCだった。昨日の欧州時間の動きは捨ててかかって、夜中の2時半に目を覚まして勝負に臨んだ。政策金利は1時半に出るのだが、どうせ変更はないだろうし、声明文も前回とほぼ変わらずであると見ているので、期待するのは3時以降の金利見通しの発表とバーナンキ議長の会見である。確かに為替相場は3時前まではほとんど動いていない。ドル円は81.30あたり、ユーロドルは1.3200をはさんでの小動き。
世の中の期待としては、金利見通しがホーキッシュなものになるのではないかという観測が強い。つまり2014年の終わりまで利上げをしないというFRB(米連銀)の姿勢に対して、株高やインフレ傾向などをかんがみて、そろそろ利上げをすべきではないかという意見が出始めているということだ。実際に幾人かの地区連銀の総裁は今年中にでも利上げをしてしまって、はやく異常な状態を脱するべきだとも主張している。
やはり結果を見ると、2014年までに利上げすべきという委員の人数が増えていた。これをもって即座に利上げというわけではないことはわかっている。しかし金融緩和しながらも金利先高観だけは強まるのは事実だ。私もどうせドルを買おうと思っていたのだから、ドル円を目をつぶって買ってみたら、81.48だった。いかにも高い。それまでのレンジのほぼ上限である。
勝負はすぐに決着がついた。ドル円が81.65アッパーまで行ったのはほんの一瞬で、すぐに81.40を下回ってきたからだ。10分くらいしか持たなかったポジションだが仕方がない。すぐに損切った。そしてゆっくりとバーナンキ議長の話でもテレビで見ることにした。
目新しいことは言っていないが、ちょっと「QE3もありうる」というようなことを強調し過ぎのようにも見えた。金融当局者としての立場から、マーケットに安心感を与えたいという政治的な配慮だろうが、それならば「米経済は力強い」とか言わなければいいのに・・・。まあ、どちらにもいい顔をしたいというところだろうか(笑)。
あまりにもドル高方向の話が期待されていただけに、今後はしばらくドル安の相場展開になるかもしれない。実際にはアメリカの金融政策は何も変わっていないのだ。6月にツイストオペをやめるというが、それは資本市場にどれだけ影響を与えたのかはいまだに不明である。
米国の株高をうけて本日の日本株も高く始まったが、やはり明日に日銀の会合をひかえてリスクを減らす動きに出ているようだ。ちょっと前までは日銀の政策期待でリスクテークが強かったのだが、ここ最近では織り込み済みになってしまっているのではないかとの思惑から、現実に追加緩和をやっても株価などは反落する恐れもあるとされている。私もそう思う。明日の発表前までは慎重に臨みたいところだ。
ただし去年も一昨年もそうだったが、4月の末日あたりは株価が高値をつける傾向がある。ということは売らを返せば、それ以降はリスクオフの展開になるということだ。ただパターン的な側面からだけの物言いだが、やはり同じことが起こっても後悔しないように身構えておく必要があるだろう。そういう意味では、クロス円を売り目でみておこうと思っている。
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