■「sell in May and go away」でクロス円続落
みなさん、こんにちは。
今月に入っての為替市場は、豪ドル/円を筆頭にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が軟調な展開。
前コラムで懸念した5月の「sell in May and go away(5月に売ってどこかへ行け)」相場が現実化している相場展開。
【参考記事】
●米ドル/円は、約2カ月ぶりに79円台へ!今年もGW中はクロス円の急落に注意!(西原宏一、5月1日)
その背景には、再びユーロ圏が混迷を深めてきたことが挙げられますが、もう1つの大きな要因は、リスクオン相場の代表的通貨である豪ドルの下落が加速したことが挙げられます。
■続くRBAの利下げで豪ドルが大きく下落
3月29日のコラムでもご紹介しましたが、中国経済の減速懸念をきっかけに、一転して豪ドルが値を下げています。
【参考記事】
●豪ドルは最強通貨の座から滑り落ちた?豪ドル/円は84.81円を割れると急落も!(西原宏一、3月29日)
9日の欧米市場では、まず豪ドル/円が節目の80.00円を割り込み、79.70円まで下落しました。

(出所:米国FXCM)
豪ドル/米ドルはパリティ(1豪ドル=1米ドル)に設定されているバリアに支えられ、1.000ドルはブレイクしていませんが、1.0020ドルの安値まで急落。

(出所:米国FXCM)
今年の豪ドル/円の高値は3月19日の88.65円、豪ドル/米ドルは2月29日の1.0857。
豪ドル/米ドルは約800ポイント、豪ドル/円にいたっては2カ月弱で約9円暴落しています。
豪ドルの下落を加速させたのが、まず5月1日に報道されたRBA(豪準備銀行)による予想外の大幅利下げ。
5月1日に、RBAが予想を上回る0.50%の利下げを実施。
これで政策金利は4.25%から3.75%へ。
加えて9日のアジア市場では、オーストラリアのギラード首相の「予算によってRBAが金利で行動する最大の余地を与える」や「非常に高い豪ドルが製造業に圧力を与えている」という発言があり、豪ドル/円は一時80.00円を割り込んでいます。
■さらなるRBAの利下げに要注意
グローバルマーケットを見渡せば、欧州債務問題が深刻化しており、こちらもリスクアセット通貨である豪ドルの上値を抑える展開。
仮にRBAが利下げ打ち止めといった局面になれば、豪ドルに底打ち感が出るのでしょうが、金利先物市場では、RBAのさらなる100bpt(1.00%)の利下げを織り込む動きとなっており、豪ドルの上値は依然限定的。
豪ドルの下落は、「sell in May(5月売り)」という季節的要因のみならず、中国経済の減速(クラッシュではありません)とRBAの連続利下げ予測を背景にしばらく続きそうです。
友人のヘッジファンドも豪ドル/米ドルの続落に備え、ダウンサイドのオプションを物色中。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 週足)
前述のように豪ドル/米ドルは高値からすでに約800ポイント急落しているため、安値売りは避けたいところですが、今月は引き続き豪ドルのダウンサイドリスクに注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
5月17日(木)21時から生放送する「ザイFX! TV(原宿)」は「第1回 美味しいFXの楽しみ方を語ろう! 初夏の大宴会(仮題)」。
当コラムの執筆者・西原宏一さんも出演し、「FXの勝ち方講座」を開いてくれることになっています。
また、FX友の会の世話人でザイFX!でも執筆している奈那子さん、3年で8000万円稼いだスゴ腕トレーダー・ぱなぱなさんなども出演します。どうぞ、お楽しみに!
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