みなさん、こんにちは。
前回のコラムでご紹介させていただいた、注目の日銀金融政策決定会合は、終了。
【参考記事】
小沢氏の無罪判決は円高の材料になる。 日銀の発表内容しだいで急速な円高も!
結果としては、欧米勢が期待していたほどの緩和策は発表されず、マーケットの反応は「sell the fact(事実で売る)」となり、円高が進行しています。
■米ドル/円は79円台まで下落!
米ドル/円は、再び79円台に突入。
2012年4月27日(金)の日銀の発表後、米ドル/円では、ほぼ一方的に円高が進行し、4月30日(月)の欧米市場では80.00円のバリアを突破。
一時、79.66円の安値まで到達しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
日銀が追加緩和を決断したわけで、積極的に円買いを仕掛ける参加者が増えたわけではありません。
マーケットには日銀の決定会合に向けて、積み上がった米ドル/円のロングポジション(買い持ち)が残っており、それが米ドル/円の上値を抑えている展開です。
■中尾財務官から円高けん制コメント
79円台に突入した為替相場に対し、大方の予想どおり中尾財務官から円高けん制のコメントが報道されています。
中尾武彦財務官は5月1日(火)、米ドル/円が約2カ月ぶりに80.00円を割り込み、円高が進行していることについて、
市場の思惑で、「やや急速に円高が進行している」と懸念を示し、「必要な場合に、適時適切に対応できるよう緊張感を持って市場動向を注視していく」と述べ、投機的な動きに対して為替介入も辞さない構えを示した(出所:東京 1日 ロイター)
しかし、市場はまったく反応せず。
マーケットは円高を仕掛けているのではなく、前述のように日銀の発表前から積み上げた米ドル/円のロングポジションを縮小しているわけですので、円高けん制コメントに反応して、さらに米ドルを買い上げるわけにはいきません。
現時点では米ドル/円が戻れば、欧米短期筋は米ドルの売り手となります。
つまり、欧米短期筋は日銀の発表前は、米ドルの買い手。発表後、彼らは、米ドルの売り手となっているわけです。
■もし、日銀の発表直後に米ドル/円が上昇していたら…
もっとも、日銀の発表後、仮に米ドル/円が数円上げたとすれば、彼らは米ドル/円のロングポジションをうまく利益確定して、市場に短期の米ドル/円のロングポジションはなくなり、マーケット環境は大きく変わっていたでしょう。
しかし、現実には日銀の発表後、「sell the fact」の相場となり、ほぼ一方的に米ドル/円は下落し、節目の80.00円を突破しました。
結果、一部の欧米短期筋は、利益確定のチャンスを逃しているわけです。
■GW期間中は、円高傾向継続。 クロス円の急落に注意!
今週は、米雇用統計や、フランスの大統領選などのビッグイベントも控えているのですが、日本はゴールデンウィークに入っており、流動性は下がっています。
例年、日本のゴールデンウィーク期間中は、円高に推移する傾向があります。
その傾向のとおり、今週(4月30日~)も、5月1日(火)には、RBA(豪州準備銀行)が、予想を上回る50bpt(0.50%)の利下げを決定。
豪ドル/円は、83.00円を割り込み、一時82.22円まで急落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 1時間足)
また、スペインのリセッション(景気後退)入りの報道で、上値が重くなっているユーロ/円も105.54円まで下落。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)
今年も日本のゴールデンウィーク中は、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の思わぬ急落に警戒が必要です。
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