みなさん、こんにちは。
今週(3月26日~)に入っても豪ドルは依然として軟調な展開です。
■欧米市場で注目されている「豪ドルの弱さ」
先週の豪ドル/円は、このコラムでご紹介させていただいた85.00円を下にブレイクはせずに反発(安値は85.18円)。
【参考記事】
●中国の景気減速懸念で豪ドル安へ。85円割れなら下落に勢いがつく可能性も(西原宏一、3月22日)
そして豪ドル/円は、ユーロ/円、英ポンド/円の反発に連れ、3月27日(火)に87.60円まで回復したのですが、今回の局面でも88円台定着に失敗し、反落。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
円が弱いため、対円での豪ドル下落はあまり注目されていませんが、豪ドルは対ユーロ、対ポンドといった豪ドルクロスでの下落が鮮明となっており、豪ドルの弱さが欧米市場では注目されています。
■ユーロオージー、ポンドオージーは急騰
1月5日(木)の当コラムでご紹介したとおり、年末年始にはユーロの負債問題が焦点になっていたこともあり、ユーロオージー(ユーロ/豪ドル)は暴落。
【参考記事】
●ユーロオージーが年初に暴落! 2012年の相場はユーロ中心で考えればわかりやすい(西原宏一、1月5日)
2月7日には一時1.2133ドルの安値まで下落しています。
その後、ユーロ圏からLTRO(3年物長期資金供給オペ)などの対策が立て続けにとられ、ユーロの負債問題は鎮静化。
ユーロは対円、対ドルでも値を戻していますが、急落していた対豪ドルでのユーロの戻しは強烈。
3月28日(水)のユーロオージーは1.2875ドルまで到達しており、安値から700ポイント強も急騰しています。
(出所:CQG)
ポンドオージー(英ポンド/豪ドル)も1.5362ドルまで急上昇。
(出所:CQG)
このオージークロスの急騰が豪ドル/米ドルや豪ドル/円の下落も誘因し、年初から最強通貨と言われた豪ドルが、前回コラムでご紹介したとおり、中国経済減速懸念をきっかけに、一転して主要通貨の中で大きく値を崩しています。
【参考記事】
●中国の景気減速懸念で豪ドル安へ。85円割れなら下落に勢いがつく可能性も(西原宏一、3月22日)
■豪ドル/円は85円前半の攻防に大注目!
一度反発した豪ドルが再び値を崩してきた背景には商品市場が軟調に推移していることに加え、3月28日(水)の夜、RBA Watcherが「来週のRBA(※1)の利下げの可能性は50%」とのレポートを出したこともきっかけになっています。
本日の東京市場でも本邦から豪ドル/円の売りが持ち込まれ、豪ドル/円は一時85.48円、豪ドル/米ドルは1.0341ドルまで下落。
現在、豪ドル/米ドルは日足の一目均衡表の雲の下限での攻防です。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
一方、豪ドル/円は先週同様、85円台前半の攻防に注目。
豪ドル円は3月7日の安値84.81円をクリアに割り込んでいくと、下落に拍車がかかる可能性が高いため要注意です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
仮に豪ドル/円がこのレベルを割り込んでくると、現在82円台後半で調整局面に入っている米ドル/円の調整も長引くことになるので、ヘッジファンドの友人たちも豪ドル/円の動向に注目しています。
今週は本邦の決算期であり、3月30日(金)のLondon fixing時(※2)などは、期末特有の特殊なフローが入る可能性が高いため、大きなリスクはとりづらいところですが、年初の堅調さから一転して軟調に推移している豪ドルの動向に注目です。
(※1 編集部注:「RBA」とはオーストラリアの中央銀行である「オーストラリア準備銀行」のこと)
(※2 編集部注:「London fixing時」とはロンドンで各銀行が対顧客向け基準レートを発表する時刻のことをいう。日本の仲値発表時のようなもの)
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