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MT4(メタトレーダー4)とは?

資産3億4000万円、ロブ・ブッカー氏の
米国流トレード法“2トレ”ってどんな手法?

2012年06月19日(火)10:30公開 (2012年06月19日(火)10:30更新)
ザイFX!編集部

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 この記事は2010年2月にザイFX!の「ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?」へ掲載した記事を再構成したものです(ザイFX!編集部)。

 スゴイ男がアメリカからやってきた!

 その男の名はロブ・ブッカー

 世界中に3000人もの弟子を持つ、“北米でもっとも信頼されるカリスマFXコーチ”というのがロブの肩書きだ。

 その弟子の一人、ブラッドリー・フリードとの共著で2009年暮れに出版された『超カンタン アメリカ最強のFX理論』(扶桑社)がFXトレーダーの間で話題となっている。
 今回ザイFX!では、そんなロブが来日した機会をとらえ、インタビュー取材を行った。

■黒ヒゲ来襲!? 個人資産3億4000万円のFXコーチ!

 取材当日、“カリスマ”へのインタビューにちょっと緊張気味だった記者の前に現れたのはたっぷりヒゲをたくわえたワイルドな男性。時々ジョークを飛ばしながら、自信たっぷりに話すその姿はいかにも“アメリカン”な感じだった!?
 さて、ロブの肩書き「FXコーチ」というのはちょっと聞き慣れない言葉だが、これはFXトレードの技術や戦略を個人投資家に教える仕事とのこと。

 日本ではあまり聞かないFXコーチも、アメリカでは結構一般的と記者は伝え聞いていたのだが、いったいアメリカには何人ぐらいのFXコーチがいるのだろうか? ここからまずロブに聞いてみた。

 「ボクが直接知ってるのは3~4人ぐらいかな。実際にはもう少したくさんいると思うけどね」

 えっ、3~4人かもう少し多いぐらいの中で「もっとも信頼されている」といっても、あまり大したことないんじゃ……などと、記者は失礼なことを思い始めたのだが……。しかし、さらによく聞くと、カリスマFXコーチという肩書きはやっぱりダテじゃなかった。

 「ボクはFXコーチとして弟子に教えるだけでなく、もちろん、自分自身でもトレードしてるよ。ただ、他のことに使う時間より、トレードに使う時間はすごく少ないけどね。でも、収入のほとんどはトレードによるもの」

 そのロブの今のトレード収益は……月に500~700万円とのこと。FXのトレードで資産を殖やし、今の個人資産は3億4000万円あまりだという。

 他のトレーダーとコミュニティを作って交流し、新しい手法などをみんなで研究するのが楽しいというロブはFXコーチ業に力を入れているのだが、その傍ら、短時間でサクッとトレードして、月に何百万円も稼いでいるという話なのだ。

■FXは短時間でたくさん儲けられる可能性がある!

 ただ、そんなロブも最初からトレードの達人だったわけではない。

 「トレードを始めたのは10年ぐらい前。テレビで『わずか2000ドル払えば、秘密のFXトレードシステムが手に入る!』という触れ込みのCMをやってたんだ。

 それを真に受けて、トレードを始めたんだけど、あっという間に2000ドルはパー。今考えると、そんなもの信じるのがどうかしてるけどね。

 その後、何千ドルか口座に入れて、トレードを再開。今度はちゃんと自分の力でトレードしようと思った。もちろん、自分でやり始めてからも失敗はあったけど、研究を積み重ねて今に至るというわけさ」

 トレードや投資の対象はFX以外にも株式や商品先物など、いろいろなものがあり得るが、ロブがやっているのはFXだけなのだろうか?

 「ボクがやっているのはFXのトレードだけ。不動産投資なんかも誘われたことがあるけど、ボクには通貨のトレードが一番合っていると感じている。

 最初にFXをやり始めた時、一番魅力を感じたのは、『短時間でたくさんのお金を儲けられる可能性がある』っていうこと。それは実際、そのとおりだったね」
■2trendy、略して“2トレ”とはどんな手法?

 さて、ロブたちは数々のトレード手法を開発してきたのだが、ここではその中の1つ、「2trendy」について紹介しよう。2trendy=2トレンディ、略して“2トレ”というトレード手法だ。

 「2トレはトレンドラインの引き方を学ばないといけないから、そこがちょっと難しい。

 逆に言うと、トレンドラインはいろいろな手法で使える重要なものだから、トレーダーはその引き方の技術を身につけた方が、長期的に見ていいとも言えるよ」

■行き過ぎた相場は必ず元に戻る

 2トレの手法は「行き過ぎた相場は必ず元に戻る」という考え方に基づいている。もっとも基本的なやり方では4時間足と1時間足のチャートを使うそうだ。

 2トレでは2つのトレンドラインを引く。

 まずは4時間足のチャートを見てみよう。上昇か下落か、トレンドが出ているチャートを探す。ここでは上昇トレンドのチャートを例にすると、その安値と安値を結んだラインを引くのがまず第一段階。

 これが2トレでは、「ベースライン」と呼ばれるものとなる。
2trendy(クリックで拡大)

(チャート提供:FOREX.com Japan

 次にチャートを1時間足に切り替える。そして、また、安値と安値を結んだラインを引く。これが「エントリーライン」と呼ばれるものとなる。

■“2トレ”がやりやすいトレードツールとは?

 「4時間足の時に引いたベースラインが、チャートを1時間足に切り替えた後でも消えずに残っているトレードツールを使うことが大切だ。

 ボクはメタトレーダーというソフトを使っているよ。これはチャートを切り替えても、自分が引いたラインが消えずに残っていてくれるし、無料で使うことができる。そして、自分自身の手でテクニカル指標を作りたい時でも、すぐにプログラミングできるんだ」
2trendy(クリックで拡大)

(チャート提供:FOREX.com Japan

メタトレーダー(Meta Trader)は高機能のチャートソフトで、コアなFXファンにはよく知られた存在。ちなみに日本にあるFX会社では、たとえば「FOREX.com Japan」「FXトレード・フィナンシャル」「サイバーエージェントFX」などで使うことができる。

■トレード開始ポイントはどこか?

 「さっきも話したとおり、トレンドラインの引き方はとても重要。2トレでは『ベースライン』とか『エントリーライン』と呼んでいるラインだね。

 こういったトレンドラインはローソク足のヒゲの先のところで引くことが大事。他のローソク足に触れないほど大きく出ているヒゲを2カ所探すのがコツだ。2点を結んでトレンドラインを引いた時、途中でヒゲがはみ出しているところがないようにすること。

 そして、2トレの場合、エントリーラインがベースラインより急角度になっていることがトレードを行う条件となる。そうじゃない時は手を出してはいけない」

  さて、2トレでは、どうなったらトレード開始となるのだろうか?

 上昇トレンドのチャートを例にすると、1時間足のローソク足がエントリーラインを割ったところ…ここが2トレのエントリーポイントとなる。この時、「売り」でトレードを開始するのだ。

 ローソク足はそれがきちんと完成した段階で、エントリーラインを割ったかどうか判断する。途中でエントリーラインをはみ出しても、元に戻ってしまったら、トレードしてはダメということ。

2trendy(クリックで拡大)

(チャート提供:FOREX.com Japan

■失敗を繰り返したとしてもあきらめてはダメ!

 利益確定の目標は通常、以下の2つが想定できるそうだ。
 
・利益確定ポイント(1)…ベースラインのところ
・利益確定ポイント(2)…エントリーした瞬間にベースラインがあったところ

 そして、損切りのポイントは「売り」から入った上記の例のような場合は、直近高値の少し上となる。
2trendy(クリックで拡大)

(チャート提供:FOREX.com Japan

 なお、ここまではすべて、上昇トレンドのチャートが下落に入る瞬間をとらえるトレード、つまり「売り」から入るトレードを例として挙げてきたが、もちろん、その逆に2トレで「買い」から入るトレードを行うこともあり得る。

 その場合は当然、ここまでの説明とはすべて逆の動きとなる(たとえば、損切りのポイントは直近高値の少し上ではなく、直近安値の少し下)。

 2トレが失敗して、損切りに終わることは頻繁にあるようだ。その場合はエントリーラインを引き直して再チャレンジ!

 2トレは行き過ぎたトレンドが戻るところを取りにいく手法。何回もトレードに失敗すれば、それだけトレンドの行き過ぎが大きくなっていると考えられるから、「戻り」も大きくなることが想定できる。だから、途中の失敗であきらめてはダメなのだ。

(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔 撮影/和田佳久)
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