それでは、用語を押さえたところで、話を元に戻して、オプションの情報をどんな風に普段のトレードに活かせば良いのか、荻野さんと西原さんからのアドバイスを紹介しましょう。
オプション取引は、ある一定の期日に一定の価格に到達したら「買う」あるいは「売る」という「権利」の売買ですから、権利保有者は、自分が権利行使して利益が出る価格まで到達するよう、為替マーケットで大量の売り注文や買い注文を出して、市場価格を誘導しようとします。
ですから、カットの前後は急激なマーケット変動や一見ナゾの停滞が起こりやすいのです。

たとえば、ニュースに「79円にオプションのストライク(権利行使価格)がある」と書かれていたとすると、79円を挟んで、権利行使時間の10分くらい前からは、おおむね±20銭くらいで価格がウロウロすることが多いそうです。
オプションカットが意識される時間帯にチャートを見ていて、あれれ? なんで動かないんだ? と首をひねった経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
このほかにも「79円にオプションのバリアがある」などと書かれている場合は、79円に到達させまいとするオプションの権利保有者が、79円手前、たとえば、78.90-95円あたりに大量の売り指値注文を入れていて、なかなか79円に到達しないような場合もある模様。
この場合、78.90円に価格が触れると、短期的にゴソっと30pipsくらい下落する、なんてこともあるそうです。

ただバリアが突破されると、今度は買い戻す動きが盛んになります。
西原さんいわく、こうした場合には79.05-10円あたりに、大量の買い注文が置かれていることが多いんだとか。
これがトリガー(引き金)となって、一気に価格が上昇する傾向があるみたいです。
この流れについていくことができれば… ウハウハです!
つまり、オプションのバリアは、トリガーになるので、常に情報を収集してポイントがどこにあるのかを把握できると、自分のトレードに活かすことができる! ということ。
詳しいしくみはともかくとして、マーケット情報でオプションに関するニュースが出たら、ターゲットとされている価格を意識しておくと良いかもしれません。
(「FX友の会 in 東京 2012」レポート(3)バンカメは占星術で相場を張っている!?」へつづく)
(取材・文/ザイFX!編集部・向井友代 撮影/和田佳久)
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