FX友の会……それはちょっと不思議な集まりだ。FX友の会のセミナーにはFX界の著名人が講師として次々と登場する。けれど、誰も講演料はもらっていない。それどころか、自らが会費を支払い、場合によっては大阪=東京間など、遠隔地からの交通費も講師自らが支払っているのだ。
FX友の会の始まりはFXトレーダー5人の小さな交流会だった。そこに友だちの輪が広がるような形で次第に参加者が増え、つい先日、6月11日に東京で行われた会は、140人もの個人トレーダーが集まる盛大な会になっている(※)。
そんなFX友の会の“世話人”が奈那子さんだ。
【FX友の会に関する参考記事】
●「FX友の会 in 東京 2011」レポート(1) ユーロをものすごくネガティブに見ている!
●「FX友の会 in 東京 2012」レポート(1) 安定的に勝てる人は安定的に負けている!?
●ウワサの「FX友の会」潜入レポート(1) 「天の恵み」というほど高勝率の手法とは?
FX界の著名人も一般個人トレーダーも、みんながFX友の会へ集まってくるのは、好奇心旺盛で世話好きな奈那子さんのパワーによるところが大きいのかもしれない。
OLの年収と同じぐらいFXで稼ぐ奈那子さんのトレード歴
奈那子さんはダテにFX友の会の世話人をやっているわけではない。過去の大失敗を乗り越え、今ではFXのトレードで「OLの給料と同じぐらいは稼げている」という。
今回はそんな奈那子さんのトレード歴、トレード手法、そして、FX友の会の由来などについて聞いてみた。
奈那子さんのトレード歴は株から始まる。
「私が会社員になったのが1989年。入った会社の隣に野村證券があったんです。当時はバブルの絶頂期。会社でまわりにいるおじさんたちには株をやってる人が多くて、そのままお昼休みに野村證券へ連れて行かれたり…。
そんなことしてたら、やっぱり興味が出るじゃないですか。それで、そのうち、自分でも株を買うようになりました」
1989年といえば、その年末に日経平均が3万8915円という史上最高値をつけた年。まさにバブルの絶頂期だった。それが株への興味の持ち始めだった奈那子さん、株の取引で損はしなかったのだろうか?
「すごく派手な取引をしてたわけじゃないんですよ。現物株で、医療関係とか結構堅い銘柄を買ってましたね。デイトレとか、そんなんは頭の中になくて、優良株を長期で持つみたいなやり方です。
当時は大して勉強もせず取引してましたが、運よく結構儲かりました。200~300万円ぐらいの元手が600~700万円ぐらいにはなったんじゃないかな」
その後、2000年代に入り、ネット証券がポピュラーな存在になって、株のデイトレードがもてはやされる時代がやってきた。
「今の株之助さん、昔はHANABIさんというハンドルネームで出てたでしょ。彼が一世を風靡し始めて、株のデイトレが流行ってきたじゃないですか。
だけど、昼間は会社で仕事があるので、さすがにデイトレはそんなにできません。それで株にも限界があるなと思ったんです」
サブプライムショック! 一晩で●●万円あまりの損失に!!
「そんなとき、FXの本がちょこちょこ出だした中で山本有花さんのFXの本を買ったんですね。それを見て、2006年からFXを始めました。その頃はずっと円安方向に、円安方向にずっと買ってました。通貨ペアは米ドル/円、英ポンド/円、豪ドル/円です。
そんなんで儲かるんで、FXってめっちゃ簡単やんかと思ったんです」
それは低金利の円を売って、高金利の外貨を買う「円キャリートレード」の全盛時代。単純に外貨を買えば儲かる時代だった。
そして、奈那子さんは少なからぬ日本人FXトレーダーがたどったのと同じ道をたどることとなる。
「2007年8月のサブプライムショック。あの時、急激な円高が来て、確か一晩で●●万円ぐらい損しました。その前のチャイナショックでもやられたし、リーマンショックのときも損しましたね。
とにかくずっと円安だから、円売り外貨買いでポジションを持っておけば大丈夫って感じでやってましたからね。売りから入ることもほとんどできなかったし…」
サブプライムショックでショックを受け、外貨持ちっぱなしではダメだと悟った奈那子さん。そこで、FXトレードを始めたころから書いていたブログをホームグラウンドとして、いろいろなトレーダーと交流し、トレード方法を学んでいくようになる。
「トレード上手な人には片っ端から会いに行って、話を聞きました。私は大阪に住んでますが、すごいトレーダーさんがいるとわかると、東京へも何度も行きましたね。アホちゃうかというぐらい元気でした。
そうやってたくさんのトレーダー友だちができると、トレードの相談もできますし、トレードスタイルも変わってきました。たぶん1人でトレードしていただけだったら、続いていなかったと思いますよ」
今、わかりやすいトレンドが出ている通貨ペアとは?
さて、そうして“トレード人脈”を広げながら、トレードスタイルを変化させてきた奈那子さん、今はどんなトレードをしているのだろう?
「もちろん、今は外貨持ちっぱなしということはなく、ロング(買い)でもショート(売り)でも、どちらもやりますよ。
トレードする通貨ペアはユーロ/米ドルと米ドル/円が基本。一方向にガーッと動くときは、値動きの激しい英ポンド/円をいっしょに持つこともあります。
あとはそのとき、わかりやすいトレンドが出ている通貨ペア、旬な通貨ペアをトレードすることもありますね。最近だと、ユーロ/スイスフランとかユーロ/豪ドル」
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 週足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 週足)
「1回のトレードはだいたい10万通貨が基本。自信がないと5万通貨とか、自信があれば20万通貨にしたりします。
ストップ注文は相場を見ているときは入れません。その場合、ロスカットするときは、自分で成行でロスカットします。さすがに席を外すときや寝るときはストップを入れますが…。
ナンピンはあまりしませんね。下がっているときにどんどんナンピンしていくようなことはやりません。
そして、トレードする時間はだいたい欧州時間からニューヨーク時間にかけてです」
みんなが損して苦しんでいる動きを見る!
では、奈那子さんは何を見ながら、何を根拠にしてトレードしているのか? ファンダメンタルズ派なのか? テクニカル派なのか? はたまた、逆張り派なのか? 順張り派なのか?
「う~ん、ファンダメンタルズとテクニカル、それはどっちも大事です。あとプライスアクション(値動き)も大事ですね。
プライスアクションはテクニカルとは違いますよ。市場でみんなが損して苦しんでいる動きを見るんです。
テクニカル指標はいろいろ見てきたんだけど、今はローソク足は当然として、移動平均線とピボットをよく見てます。
さらには『どこにストップが入っている』といった『情報』も大事だと思います。
そして、そもそも、そういったことの前に全体的な相場観が大切なのは当然ですね。
それと、順張りも逆張りも両方やりますよ。反転するところで買ってみたりしますし、ブレイクしたあと、ついていくのもやります。順張りのほうが王道だと思ってまして、やっぱり大きく取れるのは順張りの時ですけどね」
奈那子さんがトレードで重視している5つの要素
どうも奈那子さんの話を聞いていくと、いろいろなことを総合的に見ながら、複数の手法でトレードをやっている模様。
そんなわけで、自身のトレード法を簡潔に表現するのがなかなか難しそうな感じでもあったのだが、話を聞いているうちに、奈那子さん自身がめっちゃ考えてくれ、自身がトレードで重視していることを次の5つにまとめてくれた。
(1)相場心理
(2)テクニカルに現れるプライスアクション
(3)経済指標やニュースなどのファンダメンタルズ
(4)自分のトレード経験から出てくる“テクニ勘”
(5)情報
「(1)は『ここで買った人は、ここまで下がるとかなり苦しんでるだろう』みたいなことを考えることですね。
(2)は(1)の相場心理とつながります。具体的には1分足を見るんです。そして、たとえば、ローソク足のヒゲが出たり、入ったりしている動き方を見て、そろそろ止まりそうだな、なんてことを考えるんです。
(3)のファンダメンタルズはすごく重要視してますよ。結局、最後はそれで相場は動いてると思うので。
(4)の“テクニ勘”っていうのは私が考えた言葉じゃなくて、小林さんがよく使ってる言葉ですが、教科書どおりのテクニカル分析とはちょっと違ったニュアンスになりますよね」
小林さんとは、FX会社・JFXの社長、小林芳彦さんのこと。自身のレポートやメルマガ、ツイッターなどで相場に関する情報を発信しており、その熱い語り口にファンも多い。先日のFX友の会にも参加していた。
どこにストップが入っているのか?
「最後の(5)はさっきも言いましたが、たとえば、『どこにストップが入っている』といった情報ですね。これはある程度、お金を出してゲットしても、私は安い買い物だと思ってます。
たとえば、西原さんなどが出してる情報を見てますね。それから、西原さんなども含め、スカイプ(Skype)を使って、みんなで情報共有したりもしています」
西原さんとは西原宏一さんのこと。インターバンクの第一線で活躍していた元ディーラーで、現在も個人でFXのトレードをやっている。
奈那子さんとの親交も深く、6月11日のFX友の会では、セミナー講師を務めている。ザイFX!の連載「ヘッジファンドの思惑」でもおなじみだろう。
【参考コンテンツ】
●西原宏一×ザイFX! FXトレード戦略指令!(ザイFX! 投資戦略メルマガ)
スカイプはインターネット電話サービスが有名だが、複数の人がチャットするようなこともできる。奈那子さんは銀行の元ディーラーなどを含むトレード仲間とスカイプなどを使って情報交換しているようだ。
これは奈那子さんの“トレーダー人脈”があるからこそのことで、普通の人にはマネできないようにも思えるが…。
「情報はFX会社に口座を開けば見られる『FX WAVE』のようなものもありますし、めっちゃいいことをツイッターでつぶやいてるディーラーさんもいますから、そういうところからタダで手に入るものもありますよね。
確かに私の場合、人脈という点で恵まれているかもしれませんが、人脈を広げたい人は、FX友の会に参加して、いろんな人と友だちになったらいいと思うんですよ。
友の会にはヘッジファンドでディーラーやってましたなんて人も来たりしますしね。そこには、いい出会いがあると思うんですよ」
奈那子さんの話に出てきた「FX WAVE」は情報ベンダーのT&Cフィナンシャルリサーチが提供しているニュース。「FX WAVE」を配信しているFX会社はザイFX!内にある「FX会社おすすめ比較」の「為替ニュースで比べる」のページでチェックできる。
(「『FX友の会』世話人の奈那子さんに聞く(2) 三空さんが大損した夜を覚えていますか?」へつづく)
(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔)
◆ザイFX!読者が選んだFX会社はココ!(総合ランキング) | |||
【総合1位】 GMOクリック証券「FXネオ」 | |||
GMOクリック証券「FXネオ」の主なスペック | |||
米ドル/円 スプレッド | ユーロ/米ドル スプレッド | 最低取引単位 | 通貨ペア数 |
0.2銭原則固定 (9-27時) |
0.3pips原則固定 (9-27時) |
1000通貨 | 20ペア |
【GMOクリック証券「FXネオ」のおすすめポイント】 機能性の高い取引ツールが、多くのトレーダーから支持されています。特に、スマホアプリの操作性が非常に優れており、スプレッドやスワップポイントなどのスペック面も申し分ないため、あらゆるスタイルのトレーダーにおすすめの口座です。取引環境の良さをFX口座選びで優先するなら、選択肢から外せないFX口座と言えます。 |
|||
【GMOクリック証券「FXネオ」の関連記事】 ■GMOクリック証券「FXネオ」のメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介! |
|||
▼GMOクリック証券「FXネオ」▼ |
|||
【総合2位】 SBI FXトレード | |||
SBI FXトレードの主なスペック | |||
米ドル/円 スプレッド | ユーロ/米ドル スプレッド | 最低取引単位 | 通貨ペア数 |
0.18銭 | 0.3pips | 1通貨 | 34ペア |
【SBI FXトレードのおすすめポイント】 すべての通貨ペアを「1通貨」単位、一般的なFX口座の1/1000の規模から取引できるのが最大の特徴! これからFXを始める人、少額取引ができるFX口座を探している方は、絶対にチェックしておきたいFX会社です。スプレッドの狭さにも定評があり、1回の取引で1000万通貨まで注文が出せるので、取引量が増えて稼げるようになってからも長く使い続けられます。 |
|||
【SBI FXトレードの関連記事】 ■SBI FXトレードのメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介! |
|||
▼SBI FXトレード▼ |
|||
【総合3位】 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」 | |||
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の主なスペック | |||
米ドル/円 スプレッド | ユーロ/米ドル スプレッド | 最低取引単位 | 通貨ペア数 |
0.2銭原則固定 (9-27時・例外あり) |
0.3pips原則固定 (9-27時・例外あり) |
1000通貨 | 30ペア |
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のおすすめポイント】 業界最狭水準のスプレッドと豊富な情報で、多くのトレーダーに人気のFX口座です。FX取引が初めての初心者から、スキル向上を目指す中・上級者向けまで、各自のレベルにあわせて受講できる学習コンテンツも魅力です。比較チャートや相場の先行きを予測してくれる機能など、取引をサポートしてくれるツールも充実しています。 |
|||
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の関連記事】 ■外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介! |
|||
▼外為どっとコム「外貨ネクストネオ」▼ |
|||
※スプレッドはすべて例外あり。この表は2024年10月7日時点のデータをもとに作成しているため、最新の情報とは異なっている場合があります。最新の情報はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や、各FX会社の公式サイトなどで確認してください |
総合ランキング4位~10位、「取引コスト(スプレッド)」「スワップポイント」「初心者におすすめ」などの主要な項目ごとのランキングは、以下の記事をご覧ください。
【※関連記事はこちら!】
⇒FXトレーダーのリアルな声を反映! ザイFX!読者が選んだ「おすすめFX会社」人気ランキング!
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)