昨日はアメリカが休みだったので、ニューヨーク時間は動かなかった。だが欧州時間においてはユーロの売り圧力が増大した。やはり木曜日に開かれるECB(欧州中銀)の会合で利下げ期待が高まっているので、それにつれてドルよりも金利高であるユーロの相対的な魅力が薄れるという教科書的な解釈からだろう。
ユーロドルでは1.25台の後半からおよそ100ポイント下落となり、1.25台の前半まで下落。この下落していく過程では、ほとんど戻りらしい戻りは作らなかった。ひたすら押し込まれたという感じだった。しかし1.25台を割れることはなかった。
安いという意味では、金融緩和を期待されているポンドも安い。先月の中ごろからGDPが2四半期連続でマイナスになるなどリセッションの傾向を示しているのに加えて、インフレ指標も落ち着きを表している。そうなれば一段の緩和が求められるというのも無理はない。こうした欧州通貨安はユーロドルが1.25台の前半に留まっている限り、流れは変わらないだろう。
そして本日、いよいよ関心を集めているそのBOE(英中銀)とECBの理事会がおこなわれる。ヨーロッパは夏休みが長いため、次回は9月まで金利会合でアクションを起こすことはないとされているので、余計に今回の会合に注目が集まっている。
マーケットのコンセンサスとしてはユーロの25ベーシスポイントの利下げまでは完全に織り込んでいるので、実際に利下げが行われても為替相場にはそれほどもインパクトはないであろう。重視されるのはドラギ総裁の記者会見のほうで、EU会議で推進することになった景気刺激に対して、さらなる措置も取るべき姿勢があるのかどうかである。
今回は特殊事情であり、利下げの打ち止め感が出たりすると、急速にユーロが反転・上昇に向かう可能性が高い。つまりユーロ自体の下げ余力はそれほど残っているわけではなく、どちらかというとショートカバーも巻き込んで上昇してしまうほうが簡単に実現するのではないかというのが私の見方だ。
昨日は大いに休んで休息を取った。夏枯れ相場になる前の最後のビッグイベントだと思って、今日はしっかり夜中まで参戦するつもりだ。その欧州の金融当局のアクション次第ではニューヨーク市場でも波乱が起こりえる。今のうちから予断を持って臨むのは避けたいところだが、なにせ政策期待で米国株も急上昇してきたので、リスクのあり方からも目が離せないところだ。
今日のアジア時間では五・十日で会ったこともあって、仲値で外貨手当てが進んでドル円も80円台に乗せたりしている。久しぶりのレベルではあるが、ドル円はこの80円ちょうどあたりというのは妙にネックラインを形成しているようにも見える。もししっかりと80円台の中盤あたりまで行って、そこで値が保たれえればしばらくは80円ちょうどを底にしての上側のバンドに移行したことになる。そういうわけでもドル円の成り行きも大事だ。
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