金融市場では、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の売りが目立っています。株価の上値も重くなっていますから、当然の流れと言えるでしょう。
先週(7月2日~)から今週(7月9日~)にかけて出てきた材料を確認していきながら、このあたりの動きについて見ていきたいと思います。
■ECBと中国が相次いで金融緩和を実施!
7月5日(木)には、とても象徴的な出来事が起こりました。
わずか45分の間にECB(欧州中央銀行)、BOE(イングランド銀行〔英国の中央銀行〕)、中国人民銀行の3つが次々に金融緩和を決定したのです。
ECBは、政策金利を0.25%引き下げて0.75%としました。ここまでは予定どおりでしたが、さらに突っ込んだ策として、中銀への預入金利をとうとうゼロにしました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
BOEは、従来から続けている資産購入プログラム買取枠を3750億ポンドとして、500億ポンド拡大しています。
中国人民銀行は、貸出金利と預金金利をともに引き下げていますが、これは、ここ1カ月で2度目の利下げとなり、極めて異例なことです。
さらに補足すると、7月12日(木)には、韓国の中央銀行も利下げを実施しています。
■世界経済の低迷はさらに長引き、悪化するか
こうした各国の利下げ合戦は、世界経済の低迷がさらに長引くばかりか、一層悪化する可能性があり、それに対して先手先手で対策を打っているということでしょう。
中国の数少ない信頼性の高い経済指標として、電力消費量、銀行融資残高、鉄道貨物輸送量の3つがありますが、これらも2カ月ほど伸び悩んできています。
また、米国も厳しい状況です。
7月6日(金)に発表された米雇用統計6月分では、失業率は8.2%と予想どおりでしたが、非農業部門就業者数は8万人の増加となり、予想の10万人を下回りました。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
このような結果を受け、市場には失望感が広がりました。
(出所:米国FXCM)
さらに、欧州では難しい問題が残ったままです。
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