■ユーロ/米ドル、1.2500ドルのバリアを突破
みなさん、こんにちは。
為替マーケットでは、引き続きユーロの反発が続いています。
注目のユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)では、ユーロ/円は99.21円、ユーロ/豪ドルは1.1961ドルまで反発。
ユーロ/米ドルは、先週のコラムでも触れた1.2500ドルの巨大なバリアをついに突破し、一時1.2555ドルまで急騰しました。
【参考記事】
●スイス国立銀行がユーロ相場をかく乱! ドル/円は米長期金利上昇で80円台回復へ(8月16日、西原宏一)
1.2500ドル近辺には中国が設定していると言われている1.2500ドルのバリアに加え、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])がユーロ/米ドルの売り注文をまとめて置いていたという話もあり、なかなか1.2500ドルを超えなかったのですが、8月22日(水)の夜ついにブレイクしました。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
2012年8月2日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会後に始まったユーロの巻き戻しの相場展望は継続中。
今週(8月20日~)はユンケル議長、メルケル首相、サマラス首相などの対談が次々と開催されており、メディアではユーロに関する報道が多く、注目が集まっています。
その中には、ドイツ当局からの発言を筆頭に否定的なものもあるのですが、マーケットは総じてポジティブな報道に大きく反応する傾向にあります。
8月22日(水)のマーケットでも「ギリシャのサマラス首相がユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)と会談し、ギリシャは改革を加速させていると報告した」との報道で、ユーロ/米ドル、ユーロクロスの上昇が加速しています。
つまり今回のユーロの上昇は、ショートカバー主体の展開であり、ポジション調整のマーケットと言えそうです。
■ユーロ/米ドルの次のターゲットは1.26ドルミドル
欧米主要参加者は依然としてユーロの反発を予想しており、友人によるとゴールドマンサックスは1.3000ドル、モルガンスタンレーは1.2600~1.2700ドル近辺を戻りのメドとしているようです。
ここでフィボナッチ・エクスパンションを使って上値目標値を算出してみます。
Aは7月24日(火)の1.20401ドル、高値となるBは8月6日(月)の高値1.24424ドル、CはBの後の安値で8月10日(金)の1.22411ドルで計算。
この結果、第1目標となるCOP(※)は1.24897ドルで、すでに8月21日(火)に到達し、8月22日(水)にはこれを上抜けています。
次は第2目標のOP(※)ですが、これは1.26434ドル、最終目標値のXOP(※)は1.28920ドルとなっています。
(※執筆者注:ジョー・ディナポリの用語。第1目標はCOP、第2目標はOP、最終目標はXOP)
(出所:サイバーエージェントFXのメタトレーダー)
日足チャートを見ると、ロウソク足は3*3DMA(※、白い線)、7*5DMA(青い線)、25*5DMA(黄色い線)のすべてを上回っていますし、MACDも上側でシグナルより上にMACDがあり、上昇を示しています。
また、ロウソク足が3*3DMAから離れているので、しばらくは上昇傾向が続く可能性を示しています。
上記のことから、ユーロ/米ドルの次の上値のメドは1.26ドルミドル近辺でしょうか。
ただ、先週のコラムでも触れましたが、SNBが外貨準備の分散で断続的にユーロ/米ドルを売っていることもありますし、7月24日(火)の安値1.2042ドルからすでに500ポイント上昇していますので、原稿執筆時点のレベル(1.2540ドル)からのユーロ/米ドルのロングは慎重に入りたいところ。
【参考記事】
●スイス国立銀行がユーロ相場をかく乱! ドル/円は米長期金利上昇で80円台回復へ(8月16日、西原宏一)
(※編集部注:DMAとはDiaplaced Moving Averageのことで、ずらした移動平均線を意味する。たとえば日足の3*3DMAとは、3日単純移動平均線を3日先行させたものになる)

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
市場参加者の注目はユーロ/米ドルよりもむしろユーロクロスの反発。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
ユーロの下落時には、QE3懸念が残っているユーロ/米ドルよりも、ユーロ/円やユーロ/豪ドルが大きく下落したため、ヘッジファンドなどはこちらの反発に注目しているようです。
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