■さらなる緩和が議論されたFOMC議事録にちょっと驚き
7月31日(火)~8月1日(水)に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が8月22日(水)に公表されました。
その中に書いてあったことには、正直ちょっとびっくりしました。
議事録によりますと、多くのメンバーは、景気が十分かつ持続的な回復の兆候を示さない限り、追加緩和が近く必要になる可能性が高いと判断したとあります。
また、多くの参加者は、新たな大規模資産購入プログラムを実施すれば、景気回復をさらに支援し得るとの認識を示しています。
さらに、議事録によりますと、ゼロ金利政策を続ける期間をどの程度延長するかについても議論がなされたようです。
期間延長の際、景気回復が進んでも非常に緩和的な金融政策スタンスは維持される可能性が高いことを声明に加えれば、特に効果的かもしれないという話も出たようです。
そして、これらのことについては、次回9月12日(水)~13日(木)に行われるFOMCで改めて議論しようということになりました。
最近の経済指標を見てみますと、確かにしっかりとした景気回復基調に戻ってはいませんが、比較的安定した状況になっていましたので、ここまで追加緩和について議論されていたということにちょっと驚きました。
【参考記事】
●堅調な米国株背景にドル/円は79円台へ!ただ、大幅な円安は期待しない方がよい(今井雅人、8月16日)
●米ドル安・円高傾向だが、米国株は上昇。米国株が強い3つの理由とは?(今井雅人、8月9日)
■次回9月のFOMCに向けて米ドル安が続くか疑問
8月22日(水)のニューヨーク市場では米ドル安が進みましたが、他の市場関係者も同じようにびっくりしたので、米ドルが売られたのでしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
ただ、これで9月12日(水)~13日(木)に向けて米ドル安が進んでいくかという点に関しては、少し疑問に感じます。
それは、このFOMCが開かれた後に発表された米雇用統計が予想より良かったからです。
7月の非農業部門就業者数は前月比16.3万人の増加でした。6月までは低調な状態が数カ月続いていましたので、これは明るいニュースでした。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
ご存知のとおり、FOMCは雇用環境を重要視していますので、この指標結果は次回のFOMCの決定に影響を及ぼすと思います。
9月7日(金)に8月分の雇用統計が発表されますので、この結果が非常に重要になってくるでしょう。
さて、相場の方ですが、全体的には…
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