昨日の欧州序盤ではユーロドルが1.25台にまで戻してのスタート。アジア時間に1.2466まで差し込んでいたので、とりあえずはユーロ売り基調だろうと考えて、私は戻り売り態勢で臨んで、1.25台に乗せてきたところをすかさず売りこんでいた。そして前日の高値である1.2536のちょっと外側ということで、@1.2540で買戻しのストップ注文を置いて、あとは相場に委ねる。
アジア時間での下げは取れたが、まだポジションは半分残っている。しばらくは1.25台の前半でウロウロしているだけだったが、いかにもユーロが強そうだ。嫌な予感はしたが、私が目を離しているうちに、とっとと損切り注文がダンになっていた。ドラギ総裁がジャクソンホールには出席しないという。忙しいからだというが、それが何か政策がまともに出てくるのではないかという観測を読んだようである。
アジア時間に落ちた安値よりも約100ポイントもメクレ上がったことになる。しかし先週の木曜日に付けた高値である1.2588までは届かず。ドル円も10ポイントも動かないし、為替相場はますますこう着していく。欧州株も米国株も高値圏はキープしてはいるものの、値幅が本当に小さい。ほとんど動いていないと言える。
住宅価格やCB指数などで若干は振らされるものの、どちらかに大きく弾むということはなかった。外部環境がこうであってみれば、為替レートだけが動けというのは無理というものだ。私はニューヨーク時間の取引をあきらめ、ニューヨーククローズで参戦しようとしたが、クローズでも小動きで何もできなかった。
すでにマーケットのほうは週末のジャクソンホール期待になってしまっているようで、それまでは様子見姿勢が強まるものと思われる。しかしFRBの方針では公表されている議事録や議会証言に書かれていないことは、他言無用のルールになったばかりなので、ジャクソンホールの講演で「金融緩和をやる」という方針が打ち出されそうもないのが実情だ。
いまだに2年前の講演ではQE2をほのめかしたことが、今の緩和期待のなかで取沙汰されてしまうのだろう。しかし去年のジャクソンホールでの講演も、同じように何か出てくるのでは注目されたが、まったく何も金融政策については触れることなく、期待はずれに終わったのは記憶に新しい。
そういうわけで為替相場も材料薄なのでテクニカル重視でやっていくしかないのだが、株価が高値を維持しているせいもあってか、リスクテークの余波でユーロが上がったまま下がらない。ユーロブルになるべきところでトレンドフォローで買っていったほうが無難なのだろうが、せっかく先週来の高値である1.2588も近いので再びそれをバックにショート攻めしてもいいのではないかと考えている。
今晩はアメリカGDPの改定値と住宅の予約件数が経済イベントだが、注目度は小さくなってきている。それよりも原油価格の高さがG7などで懸念の対象になりつつあるので、23時半に出る石油在庫報告を境に価格の変動が見られたら、それに反応してみるのも面白いのではないかとも思う。
在庫報告の内容はともかく、原油価格が上昇し始めたら、ユーロドルのロングで攻めてみる。コモディティ価格の上昇はドル安を招くからだ。しかし原油価格が上がり過ぎると再び懸念が高まってくるので、利上げ期待までは出てこないまでも、金融緩和どころではないだろうという見解が強まって、ドル上昇にきっかけを与えるかもしれない。そうなればユーロドルは1.23台くらいまで簡単に戻ってしまうこともありうる。
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