甘利大臣が過度な円安を懸念したことの続きの相場が依然として続いている。ちょっとドル円は押し目買いといえども、買いづらくなって来たのは事実である。昨日のアジア時間ではドル円がひたすら重い相場を展開したが、欧州序盤ではドル円が87.80まで差し込んで、ユーロ円は同時期に116.46まで安値を拡げた。
甘利大臣の発言を、菅官房長官などが火消しに躍起になっているコメントなども出してきたので、一服感を得たというものだろう。私もスモールでもっていたドル円のショートも、88.24で買い戻しさせられることとなった。
私が買い戻してからは、なかなかドル円は上がっていかない。JPモルガンやGSといった金融機関の決算が出て、アナリスト予想を大きく上回ったというのに、グローベックスでの米国株はほとんど値動きなしであった。
明らかにマーケットの関心は円相場のチョッピーな振る舞いと、それに過敏に反応する日経先物のほうに向かっている。しかしメインの米国株がこれではリスク許容度に変化が起こるはずもなく、債券相場もコモディティも何もかもが動きに乏しい。
ドル円が上がり出したのは、ニューヨーク時間に入ってからである。ようやく88.50も越えてきたのだが、私は翌朝に早くから外出しなければいけない仕事を抱えていたので、相場には参加せずに我慢した。まあ、後になって値動きを確かめてから参戦しても遅くはなかろう。
さすがに今日の朝はドル円の買いで始まった。元の上昇トレンドに戻ったと思われてもおかしくはない上げ方だった。買いの中心は本銀勢の短期筋スペックだが、88円台の後半まで買い上げていった。私は午前中出かけていたので相場を見ることはできなかったが、お昼に帰ってくると何となく頭が重そうであった。
すでに88.50も割り込んできてきたのは意外でもあった。そこで私も88.43でショートにして、下攻めで参戦。朝いちのビューではドル円の上方向の攻めかと思っていたのだが、上がらないものはしかたがない。意外なのは私だけではなかったようで、ドル円が昨日の安値である87.80など見てもいないのに、日本株は昨日の安値を下回ってきた。
安倍相場に踊らされて買い上げてしまった分、下がるとなると値段の根拠が薄くなる度合いの大きい日本株だから、当然なのかも。リスク回避の観点からの円の買い戻しも入って、ユーロ円が再び116円台をかすったがそこまでだった。そこで私もドル円ショートを止めた。
今晩はバンカメやシティ銀といった企業決算がある。しかし昨日と同じで、それが相場の流れを変えたりすることはないのかもしれない。住宅関連の指標や景況感のデータも出てくるが、やはり重要度が相対的に減っている。市場の関心は高いところに位置している米国株のスリップだ。
それだけ高値恐怖症のレベルにいるわけであり、値段が動かないのは気迷いのステージなのだろう。もし一段高出来なければ大いに利食い売りを誘うところだが、その瞬間を捕まえてドル円かユーロ円でも売り込むチャンスをうかがっているのだが、動かないものは仕方がない。
他にも注意しなければいけないのは、日銀会合を来週に控えてもいるし、日本サイドの要人発言であろう。為替相場はまだ甘利発言を引っ張っているが、それでもドル円は年初のレベルである86円台にはほど遠い。 仮に86円台まで全戻しするようなことにでもなれば、ものすごいことになりそうだ。たかだか88円ちょうどを割り込んだだけで、これだけの影響である。考えたら恐ろしいことだ。しかしその機会はなかなか訪れない。
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