昨日の欧州市場は、ドル円は98円台の前半で始まった。週末にG20を控えて円安政策の是非が問われる局面だというので、東京時間では97.55まで下落し、そこから戻ってきたところであった。先週につけた99円台までのことを考えると、そこらへんで出来たロングのシコリの処理にはもうちょっとかかりそうだし、だからといって中途半端なところでショートにするには辛いところだ。トレンドが上向いているだけに、ちょっとした拍子で簡単に1円くらい持っていかれそうだからだ。
だが市場は不安定さを増してもいる。金価格が急落したため、マーケットは全般的にややリスク回避的になってもいる。だからニューヨーク市場まで待ってみて、もっと株安が進むとか、ゴールドが下がりだすなどしたら、そこからポジションを張っていってもいいのではないかと思った。
しかし変化の兆しは意外に早く来た。ロンドンのゴールドフィクシングに向けて金価格が急落しだしたのだ。前日に大幅安をして1400ドル台に入っただけでもビックリだったのに、ついに1300ドル台にも突入。これで私も気持の踏ん切りがついてドル円を売ることができた。すでに97円台に下がっていたが、しかたがない。97.86で売った後は、とりあえず98.00で買い戻しのストップ注文を入れて、見守るしかない。
スピードこそないものの、それでもドル円の上値は着実に切り下がっており、いかにも重たい。97.60あたりまで下がったところでシティ銀の決算となった。30%増益でEPSが予想を上回ったと出ていた。これではドル円ショートにとってはまずい。あんまり値幅は取れなかったが、これもひとつの材料だということで、私は買い戻すことにして次のチャンスをうかがうことに。
ニューヨークオープンまでにドル円は98円台に戻してきた。金や米国株は大きく下げて入るが、安値圏で動かないで推移しているので、為替相場も動きにくいところ。私は翌朝にアメリカに電話する用事があったので早めに寝たのだが、夜中の3時過ぎに目を覚ますと、米国株は一段安となっていた。ドル円も97円台の前半まで落ちている!
さてここからどうするか。順当な方法でいけば、久しぶりの安値なので、やはいr突っ込み売りだろう。それではと、さっそく97円ちょうどわれのところに売りのストップ注文を置いておいて、より安いところを売っていく作戦にした。97.30あたりをやっていたのに、急に注文がダンになった。
テレビをつけるとボストンで爆発があったようだ。それで安かった米国株もさらに押し込まれている。10分待っても、ドル円はあまり下がらなかった。もうテロでは反応しないのかなと思い直し、10ポイントほどしか取れなかったが買い戻した。私が96.84で買い戻すと、とたんにドル円は急落し、96.35あたりまで行ってしまった。ああ残念無念。
その後の6時過ぎには恒例の個人投資家の強制ロスカットの時間だということもあって、ドル円は95円台にまで突っ込んだ。急激に1円ほど落ちたのだが、いつもならばここで戻ることになっている。理由はどうでもよく、パターンがあるならばトライしてみるべきであろう。
私は戻ってきたところの96.05を買っていった。するとすぐに96.50を越えてきた。私もドル円はここで決してブルではない。だからにわかショートカバーの入ったこの時点ですぐにやめた。ドル円が98円台から95円にまで突っ込んだというのに、私はロングで儲けた分の方が多いというのもなんだか妙なものだ(笑)。
アジア時間ではショートカバーというか調整の動きの方が強かった。ドル円は97円台にミドルまで急速に戻し、海外の動きに比して日本株はとても高かった。完全なリスクテークの状況となっていて、このまま98円台に乗せてくるのかと思われるほどだった。
今晩はドイツの景況指数であるZEW、アメリカの住宅着工のデータ、そしてGSの決算発表が注目である。しかし昨日は米国株が大幅安したので、株価動向のほうが重要かもしれない。また金の値動きの荒さが今晩は落ち着くのかどうか。そうしたリスク性の高いものの市場が落ち着きを見せ始めれば、再びドル円やユーロ円は底打ちから上昇に転じるだろうし、キープウォッチしつつ対していくしかない。
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