ここ最近の傾向であるが、欧州序盤はドル買いが進む。ドル円は上昇し、ユーロドルは下がる。そして先週の金曜日の為替相場でも同じだった。ドル円は102.60あたりまで上昇してきて、先週の高値、すなわち今年の最高値である102.75をうかがっている。
そしてまたパターン的には21時くらいの、ニューヨーク勢の参入のころには一度はドルの利食い売りが出てきて、調整を余儀なくされる。私はこのパターンに乗ろうと思って、ドル円を102.58で売ってみた。もちろん上サイドに持っていかれても嫌なので、102.77で買い戻しのストップ注文は置いておく。
夕方から安倍首相の会見が始まった。成長戦略の中味はこれまでに報道された内容に沿ったものだった。インフラ輸出を2020年までに30兆円にまで上げるとか、設備投資を年間70兆円規模まで引き上げるなど。しかしそのための具体案には乏しかった。東京時間の午後から期待ベースで高まっていたリスクテークの動きは一服し、ドル円やユーロ円もやや重い動きとなった。
だからといって激しく下がるわけでもない。ドル円は102.30くらいがせいぜいで、どちらかというと底堅い感じもする。こうなるとまたアメリカの経済指標が悪いことを期待するしかなさそうだ。水曜日、木曜日と、アメリカの経済指標が悪いものが並んできた。したがって金曜日の経済指標も悪いだろう思われていた。
しかし結果としては良いものが並んだ。そのため米国株は上伸し、歴史的な高値を更新することとなった。その流れでリスクテークの勢いも強まり、ドル円、ユーロ円も急上昇。私の損切りもダンになってしまって、ドル円はそのまま103円台まで行ってしまった~。
その後しばらくは103円ちょうどをはさんだ動きとなったが、ニューヨーク時間の午後には少しだけ一段高し、そのまま高値圏での終了となった。103円台での引けというのは、翌週からのさらなる高値追いを想起させるものがある。
ドル円は103円台で週末を終えたので、今日の早朝の為替相場が気になったが、思惑とは反対に大幅安になって始まった。一時的に102円ちょうど割れ近くまでドル円は下落し、短期的なポジション調整が大きく進むこととなった。しかし東京オープンまでには103円ちょうど近くまで戻して来たので、やれやれといった感じにはなった。
しかし103円台をずっと下回っていることで、ちょっと高値追いをしづらい状態である。102円台の後半からドル円を買っていくならば、やはり103円台に乗せてきてから、できれば新高値である103.30を越えてきてからのほうが、安心感がある。
今晩は経済イベントがまったくない。後は歴史的な高値圏にある米国株の動向でリスクのありようを見ていくしかなさそうだ。ドル円は朝の突っ込みが気になるところだが、102.50より上にいるか下にいるかで、市場全体のブル度を測るのがよさそうだ。102.50までは押し目買いスタンス。それより下ではド転ショートで攻めたい。
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