■ユーロ/米ドルは今後何年かにわたる「売りの好機」か
では、今夜(8月2日)の米雇用統計がマーケットに波乱をもたらしたらどうなるだろうか?
同じように、下のチャートで示す「レフト・ショルダーズ」自体のフォーメーションが参考になるだろう。
もっとも、たびたび強調してきたように、ユーロのプチバブルは最終段階にあり、崩壊していく公算が高い。
7月31日(水)高値で試されたレジスタンスラインは、2月高値から引かれてきただけに、より重要でまた示唆に富むだろう。
2月高値をトップとした大型「ヘッド&ショルダーズ」が健在なことから考えて、足元の水準は、もしかすると今後何年間かにわたる「最も良い売りの好機」と記憶されるかもしれない。
なお、ユーロ/米ドルに先行するという意味では、現状の英ポンド/米ドルが最も参考になる。
切り返しのパターンと言い、反落前のフォーメーションといい、また7月25日(木)陽線が持つ意味と同日安値を切り込んだ後の値動きといい、これからのユーロ/米ドルの行方を示唆していると思う。
■米ドル/円の調整余地はなお大きいとみる
最後に、ドルインデックスの切り返しに追随して、米ドル/円もブルトレンドへ復帰するかどうかといった質問が容易に推測できるので、このあたりの話を少し記しておきたい。
前回のコラムでも強調したように、米ドル/円はユーロ/円次第の可能性が大きいから、目先はやはりユーロ/円を見ないとわからない。
【参考記事】
●ウォールストリートジャーナルへの市場の反応は過剰! ユーロプチバブル崩壊へ!(2013年7月26日、陳満咲杜)
前述のように、ユーロ/米ドルはこれから英ポンド/米ドルを追随する形で下落してくる可能性が大きいといったロジックが正しければ、ユーロ/円もある程度、英ポンド/円の後を追う展開になりやすいのではないかと思う。
下のチャートのように、英ポンド/円の日足は、はっきりした形で「下落フラッグ」の下放れを表しているから、当面なお下値余地を拡大するだろう。
ユーロ/円も追随してくれば、おなじようなフォーメーションを描くのではないかとみる。
そうなると、やはり米ドル/円はクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場経由の円高圧力を受け、ドルインデックスにはすぐ追随できない公算が大きい。
米ドル/円は、上のチャートに示したレジスタンスを突破できなければ、しばらく大型トライアングル内の推移に留まるのではないかと思う。
同フォーメーションの下限は、現在のレートよりだいぶ下に位置するから、米ドル/円の調整余地はなお大きいとみる。市況はいかに。
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