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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ウォールストリートジャーナルへの市場の
反応は過剰! ユーロプチバブル崩壊へ!

2013年07月26日(金)15:19公開 (2013年07月26日(金)15:19更新)
陳満咲杜

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■参院選後の米ドル/円の反落は緩やかだが…

 参議院選挙が終わった後の為替相場は、米ドル安が続いている。

 米ドル/円に関しては、前回のコラムでも言及していたが、与党圧勝の結果は、ほぼ事前の予想どおりであったため織り込みずみで、さらなる円売りにはつながらなかった。

【参考記事】
マーケットは「先の先」を読んだ動き?ドル/円は参院選後を一部織り込みずみか(2013年7月19日、陳満咲杜)

 つまるところ、円売りポジションは過大に積み上げられてきたから、参議院選挙の結果を問わず、円売り余地が限定されることも、前回のコラムにて指摘ずみである。

 予想どおりの展開となったが、米ドル/円の反落は緩やかなスピードに留まっている

米ドル/円 1時間足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

 外部要因(米株高など)に恵まれている上、ドルインデックスの反落が米ドル/円を支えている側面も無視できない。ユーロ/米ドルの切り返しがユーロ/円の上昇をもたらし、それに伴う円安効果が米ドル/円にも波及していると思われる。

 ゆえに、ユーロ/円が一昨日(7月24日)まで切り返しを続け、またそれに伴う形で米ドル/円が一昨日において100.45円までトライした値動きには納得できるだろう。

 しかし、こういった値動きはすでに最終段階に入り、そろそろ転換してくるのではないかと思われる。

■ユーロ/米ドルは近々トップアウトを果たしそう

 また、市況の変化はすでに始まっているではないかといった感触は、昨日(7月25日)の値動きから感じられる。

 言い換えれば、ユーロ/円を始め、主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が頭打ちとなる一方、米ドル/円は下落余地を拡大しているから、目先強そうに見えるユーロ/米ドルが、近々トップアウトを果たしてもおかしくなかろう

ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 もちろん、こういったロジックは米ドル/円の反落が続くことを前提条件としているだけに、市況の変化とはドルインデックスの底打ちを指していること、そして、ドルインデックスと、タイムラグを持つ米ドル/円が別物であることを理解していただきたい。

■WSJをきっかけにドルインデックスが下落

 ところで、昨日(7月25日)もドルインデックスが大幅反落を果たしており、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルは7月9日(火)安値を起点とした切り返しにおける高値を揃って更新したから、ドルインデックスは果たして近々底打ちを果たせるのか、と疑問視されても不思議ではなかろう。

 相場における断定的な判断は誰もできないが、昨日(7月25日)の材料から考えて、筆者はあえてその可能性が大きいと思う。

 昨日(7月25日)のドルインデックスの急落は、NY市場の後半に発生した。かけはWSJ(ウォールストリートジャーナル)の記事だ。

 WSJ番記者のヒルゼンラス記者が「FRB(米連邦準備制度理事会)は、長期低金利維持のためにフォワードガイダンス変更を論議する可能性がある」と報道したからだ。

 FRBがマーケットに対する影響力を保つため、長年WSJ番記者にリークし、記事を書かせてきただけに、今回もFRBの本音がうかがえる。要するにハト派スタンスの維持だ。

 しかし、このような話は前回と同様、「論議する可能性」に留まる可能性がある上、7月31日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、現行政策が修正されるといった観測は皆無であり、「2012年9月以降、経済情勢次第で段階的にQE(量的緩和策)の規模削減に着手」といった従来のバーナンキ議長の主張に矛盾していないから、マーケットの反応は明らかに過剰だ。

■ドルインデックスは200日線にサポートされるか

 こういった過剰な反応は、昨日(7月25日)のユーロ/米ドルの高値から読み取れる。

 前回(6月中旬)FRBがQE規模削減を暗示した際、ユーロ/米ドルは1.3400ドルの大台を打診していたが、昨日は1.3300ドルの節目に接近し、材料の蒸し返しとしてはいいレベルに来ていると言える。

 テクニカルの視点では、7月9日(火)安値を起点とした切り返しの継続と見なすが、相場の内部要因の視点では、前回のコラムでも指摘したように、QEに過大な期待を寄せたロング筋の振り落としが一段と拡大されていたわけだ。

 面白いことに、QEに対する過大な期待は、ドルインデックスの下落をもってロング筋が振り落とされると、次第に行きすぎが生じ、今度は逆のポジション、つまり「FRBハト派スタンスの継続」に賭ける動きに偏る可能性がある。

 昨日(7月25日)のWSJ記事に対する過剰な反応は、目先の米ドル売りモメンタムの強さを示すと同時に、すでに行きすぎが生じているサインとして重視したい。

 そして、こういった視点から、テクニカル指標の現状をもう1回点検したい。

 まずドルインデックスの日足では、200日線が注目される。 

ドルインデックス 日足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

 2012年11月高値、2013年6月安値はともに、同線のレジスタンスとサポートの役割を確認しただけに、今回もサポートラインとして機能してくる公算が大きい。

 RSIの分析はやや難しいから、今回は詳説しないが、簡単に言うと、5月安値に対応したレベルにRSIが接近してきたから、同じくサポートされる公算が高いとみられる。

■早ければ今日にもユーロプチバブル崩壊か

 実際、目先、ユーロ/米ドルが1.3300ドルの節目に接近し、強そうに見えるが、6月高値を超えない限り、内部構造は不変。このような内部構造について、7月11日(木)に制作したチャートと、同じく11日に書いた文章をもって説明したい。 

ユーロ/米ドル 日足(7月11日作成、クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

バーナンキFRB議長の発言によって米早期出口政策に関する期待を後退させ、ユーロ/ドルも大きくリバウンドしたが、近々再度頭打ちを果たし、ベアトレンドへ復帰しよう。このような結論、ウェーブカウントとフォーメーションの両方からヒントを得られると思う。

上のチャートで記しているように、まず、ウェーブカウントでは、2月高値
から大型下落波を始動させ、6月高値1.3416から子波3をスタートさせたと思われる。同推進波自体の5波構造に鑑み、昨日の切り返しが大きかったものの、調整波(II)との位置付けからおのずと限界あり、再度頭打ちを付ける公算。もっとも分かりやすい話、一昨日安値からの切り返し、強く6月高値を超えない限り、ベアトレンドを修正できず、早晩安値更新し、1.2200以下にターゲットに照準する計算となる。

フォーメーションでは、来るべき調整II波のトップアウトがあれば、上のチャートで示しているように、6月高値をヘッドとする小さいヘッド&ショルダーズを形成される蓋然性は高く、同フォーメーション自体、「右肩」として序列上に位置する大型ヘッド&ショルダーズを形成していく見通しだ。重ねたヘッド&ショルダーズは共にベアトレンドの進行を示し、再度安値更新があれば、大きな下値余地を拓くことに繋がる。

 目先切り返しのレベルを上方修正する必要があるものの、基本的なロジックは間違っていないと思う。早ければ本日7月26日(金)に、遅ければ来週(7月29日~)あたりに、ユーロのプチバブルは弾けると思う。市況はいかに。

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