■ドルインデックスのメインサポートラインは依然有効
夏相場につき、マーケットは一進一退の変動パターンを保っている。一方、米ドル安のメイン基調も保たれており、ドルインデックスは底割れを回避したものの、なお安値圏での推移に留まっている。
前回のコラムでは、ドルインデックスは2011年8月安値から引かれるメインサポートラインに支持されるはずだと予測していたが、実際、先週(8月5日~)の安値がちょうど同ラインの役割を確認した形となった。
【参考記事】
●ユーロ/円は年内に118円台の可能性も! ユーロクロスの異変がユーロ全面安を示唆(2013年8月9日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
昨日(8月15日)の急落は、再度同ラインを試すように見えるが、結論を先に言えば、現時点での同ライン、なお有効ではないかとみる。要するに、米ドル全面安の基調はそう長く続かないと思う。
■リスク回避で米ドルが買われなかった「異変」
もっとも昨日(8月15日)、米国株は急落した。それに伴った米ドル/円の反落はいつものパターンで、特に言うことはないが、ユーロ/米ドルの切り返しや英ポンド/米ドルの続伸に見られるように、米ドル全面安の様相は今までの反応パターンと違っていた。
(出所:米国FXCM)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 1時間足)
今までは、「米国株急落=リスク回避=リスク回避先の米ドル買い・円買い」といった変動の構図があった。
昨日(8月15日)、米国株は1.5%安があったから、米ドルは対円以外の諸外貨に対して買われてもおかしくなかった。これが逆に売られていたことは興味深い現象だ。
そもそも8月15日の米国株急落は米QE(量的緩和)縮小早期実施の観測が再び高まったことが主因であった。
最近の雇用・住宅指標は米経済回復が順調であることを物語っている。これがFRB(米連邦準備制度理事会)が9月からQE縮小に着手するといった観測につながり、株安に反応したのはごく普通のパターンだった。
対照的に、米ドルは対円だけではなく、対ユーロ、対英ポンドでも売られていたのがやはり今までのパターンと違っていた。理屈では、QEの縮小は米ドル買いの要素になる上、前述したように、株安ならリスク回避先として米ドルが買われるのが「筋」であったのにだ。
こういった「異変」を総合的に分析すると…
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