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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

大混乱を招いたFOMCの決定。なぜ今後、
最も上昇しやすいのはクロス円なのか?

2013年09月20日(金)16:33公開 (2013年09月20日(金)16:33更新)
陳満咲杜

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■ユーロ/円は139円台、ポンド/円は163円台の可能性も

 米ドル/円の保ち合い変動が予想どおりに早期完了したならば、クロス円の一段高も避けられないだろう。

 というのは、米ドル/円の底打ち、至って上放れがあれば、今回のFRBの政策据え置きによる米ドル安の受け皿として、引き続き円以外の主要通貨がその役割を果たすと思われるからだ。そうなれば、クロス円の上昇に弾みがつくと推測される。

 また、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルは、一段高の余地が限定されたとしても、当面高値圏での保ち合い状態は保てるとみられる。よって、米ドル/円の上放れがあれば、クロス円はさらに押し上げられる

 こういった推測に基づき、ユーロ/円は138~139円台、ポンド/円は162~163円台の上値ターゲットを意識しておきたい。

ユーロ/円 日足

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)

英ポンド/円 日足

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)

 ファンダメンタルズ上の理由では、FRBの政策据え置きがリスクオンのムードにつながり、米ドル売り、円売りを推進しやすい一方、最も緩和姿勢が強く、かつ低金利の円は、再度キャリートレードの対象として狙われる可能性さえある。

 こういった視点でも、豪ドル/円を含め、クロス円は当面優位性のあるポジションとして重宝されるのではないかと思う。

 前述のように、ユーロ/円の上昇は2つのシナリオに依存しているが、「米ドル/円が下値限定で、保ち合いを続けると同時に、ユーロ/米ドルが高値更新し続ける」といったシナリオより、「ユーロ/米ドルが高値圏での保ち合いを続け、米ドル/円が上値放れをもってユーロ/円を押し上げる」といったシナリオを有力視したい。

 換言すれば、ユーロのプチバブルは後ズレになったものの、バブル視すること自体に問題はないし、バブルである以上、早晩はじける運命にあるということだ。このあたりの話は、また次回。


【追記】

 FOMCの決定は筆者にとってサプライズだったので、本当は米ドル/円の底打ちは、より早い段階にて確認されてもおかしくないと考えていた。

 FOMC前(9月18日15時ごろ)には、下記のように3つの通貨ペアを予測していたので、ご参考まで。

 米ドル/円に関する予測はFOMCの決定によって間違いになったが、基本構造は変わっていないので、現時点のチャートと照らしてご覧をいただければ、より理解できると思う。 

米ドル/円 日足(9月18日15時ごろ作成、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

ユーロ/円 日足(9月18日15時ごろ作成、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

英ポンド/円 日足(9月18日15時ごろ作成、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

筆者注:ユーロ/円と英ポンド/円は、現在なお上昇波のiii子波に位置しているとみる。また、米ドル/円は、上昇波の最初の子波iに位置していると思う。

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