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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

重要ポイントはユーロ/円高値更新の有無。
ドル/円の保ち合いは早ければ来週終了!

2013年09月13日(金)17:04公開 (2013年09月13日(金)17:04更新)
陳満咲杜

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■「2020年東京五輪決定は誤報」という冗談の真意とは?

 「2020年東京五輪決定は誤報で、本当はまたロンドンに決まったのではないか」、筆者は最近友だちにこのような冗談を言っている。

 というのは、五輪決定で期待された米ドル/円の上昇は続かず、逆に英ポンド/円は高値を更新したからだ。

英ポンド/円 日足

(出所:米国FXCM

 とはいえ、英ポンド/円の高値更新に多少違和感を覚えるとしても、米ドル/円の保ち合い状況はほぼ想定内であり、サプライズではなかった。

 強いて言えば、五輪決定をもって為替相場の動向云々を言うこと自体がナンセンスだ。

 この意味では、前述の冗談、筆者からすれば巷のロジックを揶揄する気持ちもあった。

前回のコラムで指摘したとおり、米ドル/円の上値は限定的で、しばらく大型トライアングル型変動パターンにとどまる。足元の相場から考えて、こういった状況がなお継続していることがおわかりいただけるだろう。

【参考記事】
ユーロプチバブルがいよいよ崩壊開始! 一時100円突破したドル/円は上値限定的(2013年9月5日、陳満咲杜)

 五輪決定で米ドル/円は週明け(9月9日)から上昇し、一時100.60円の高値をつけた。が、先週(9月2日~)高値の100.22円をわずか38銭上回っただけでまた失速してきたから、いわゆるご祝儀相場でもこの程度でしかなく、前述のロジックの誤りを証左していると思う。

■米ドル/円は依然大型トライアングルが続いている

 結局、この100.60円の高値さえ、従来のシナリオの延長であり、またシナリオを強化している材料でもある。

 まず、今回の米ドル/円の切り返しについて、8月8日(木)安値95.81円を起点とし、100.60円をもって同値幅を測るなら、これはちょうど前回の切り返し(6月安値93.79円~7月高値101.49円)の61.8%に相当しており、目先の限界を示す。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 次に、6月安値から8月、9月高値を連結するレジスタンスラインを確認した形の頭打ちも、目先の頭の重さを示唆していた。

 さらに、「同レジスタンスライン(緑1)」と「4月15日(月)安値から引かれ、5月安値を連結する元サポートライン(緑2)」が平行状態であること、また、同元サポートラインが見事に7月高値と合致していたことは、見逃せない。

 したがって、米ドル/円の保ち合い状態がしばらく続くといった判断は妥当であり、また値動き自体が巷で考える大きなイベントやインパクトとほぼ関係なく、実に規則正しいものになっている。

 ゆえに、これからの米ドル/円の行方を測る前提条件として、当然のように、5月高値から構築された大型トラアングルのブレイクと、その方向が挙げられる。同トライアングルの打破なしでは、大きなトレンドは発生しにくいだろう。

■英ポンド/円の高値更新が示唆するものとは?

 ところで、英ポンド/円の高値更新を受け、米ドル/円の下放れリスクが一段と後退していることも、軽視すべきではない。

 こうしたクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の動向と相俟って、米ドル/円の次なる一手は、下放れより上放れの確率が増加しているように見える。

 では、英ポンド/円の高値更新は、何を示唆しているのだろうか。

英ポンド/円 日足(再掲載)

(出所:米国FXCM

 周知のとおり、最近英ポンドの値動きが強い。そして、英ポンド/円の高値更新は、米ドル/円が堅調なことよりも、英ポンド/米ドルの堅調に依存している側面が強い。

 日足のチャートを見ればわかるように、英ポンド/米ドルは6月高値を超え、2月以来の高値を更新している。 

英ポンド/米ドル 日足

(出所:米国FXCM

 英ポンドの強さは、ファンダメンタルズ上では主にBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])のアナウンスや想定による、英国の早期利上げ観測に依存しているところが大きい。

■英ポンド/円に新たなシナリオ

 こういった見方の正誤はともかく、テクニカル上では、英ポンド/米ドルの堅調につられた形での英ポンド/円の高値更新が、新たなシナリオにつながっていることにインパクトがある。

 下のチャートに記しているように、英ポンド/円は、従来のシナリオでは5月高値をもって2012年6月安値118.76円を起点とした上昇波が完成した計算だった。 

英ポンド/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 しかし、それが崩れてブル(上昇)トレンドが足元まで続いているから、エリオット波動論における上昇5波構造における第3波を、従来の2月高値ではなく、5月高値に数え直さなければならない(従来のシナリオは、緑色の数字・?つきで表示)。

 この場合、英ポンド/米ドルは8月安値から第5波を推進していたこととなり、2012年6月安値から雄大な上昇ウェーブを描いていることがわかる。

■ユーロ/円の頭打ちがまだである可能性が出てきた

 この視点から見ると、円安トレンドの進行は、想定より大きいスパンで測らないといけなくなり、同じクロス円であるユーロ/円も、実はまだ頭打ちしていないのではないかと疑問符をつけられる。

 同じロジックによる推測で、ユーロ/円の新たなウェーブカウントは、下記チャートのような可能性を示す。 

ユーロ/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 同ウェーブカウントでは、ユーロ/円は早晩5月高値を更新し、英ポンド/円の後を追う形で第5波を展開するだろう。この場合、想定されていたユーロプチバブルの崩壊は、後ズレになることも覚悟しなければならない

 もっとも、ユーロ/円の高値更新があれば、ユーロ/米ドルか米ドル/円どちらかのブル(上昇)トレンド展開が不可欠なので、今のところ、ユーロ/米ドルのブルトレンドへの復帰は想定しにくいから、可能性があるなら米ドル/円の上放れの確率が高い。

 したがって、これからの重要なパラメーターとして「ユーロ/円高値更新の有無」が挙げられる。これが市場関係者にとって目先の焦点となろう。

■米ドル/円の保ち合いは、早ければ来週まで

 一方、通貨ペアごとのパフォーマンスは異なり、それらが必ず整合性を持つとは限らない。

 考えられるもう1つのシナリオ、つまり、ユーロプチバブルの崩壊が規定路線となり、これからも続く場合は、ユーロ/円は結局高値を更新せず、反落してくることになる。この場合、下のチャートに記しているように、従来のシナリオに復帰する。 

ユーロ/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 仮に従来のシナリオに復帰した場合、英ポンド/円は9月11日(水)高値158.55円をもって第5波を早期完成し、これから反落してくる公算も高まる。

 両シナリオに合わせて、米ドル/円のウェーブカウントも変化してくるが、現在のところ米ドル/円の下値余地は、前述の大型トライングルの下値ラインに限定される公算が大きい。

 同フォーメーションの下放れがなければ、米ドル/円は早晩ブルトレンドへ復帰するだろう。

 米ドル/円の大型三角保ち合いは、短ければ来週(9月16日~)あたり、長ければ10月いっぱいまで続くとみるが、この間、ユーロ/米ドルと英ポンド/米ドルの反落が再度加速してくれば、クロス円の頭打ちや反落といったシナリオの可能性がなお大きいとみる。

 いずれにせよ、ユーロ/円高値更新の有無に注目すれば、相場の次の一手はなんとなく悟れるのではないかと思う。市況はいかに。

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西原宏一