本日(9月19日)の東京時間未明、2日間に渡って開催されていたFOMC(米連邦公開市場委員会)の会議の結果が発表されました。
結論は、「金融緩和の縮小を見送る」というものでした。
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発表された声明文の中身を少しご紹介しましょう。まず、重要なのは、冒頭にある景気認識です。3点に分かれています。
■金融緩和を見送った米FOMCの3つのポイント
1点目、「労働情勢を示す指数のいくつかは、最近数カ月さらなる改善を示しているが、失業率は依然高い水準にある」
重要な指標である、失業率はまだ高いということを述べています。
2点目、「家計支出や民間設備投資はさらに進み、住宅部門は強まり続けているが、住宅ローン金利はいくらか上昇してきており、財政政策が経済成長を抑制している」
市中金利が上昇してきていること、財政政策などで景気の伸びが緩やかになっていることを述べています。
3点目、「エネルギー価格の変化による変動以外は、物価上昇はFOMCの長期目標を下回る水準で進んでいる。長期インフレ期待は、安定した状態を維持している」
物価は、目標としている水準よりも低い状況です。
■バーナンキ任期中は金融緩和縮小の判断保留かも…
つまり、労働環境もまだ完全に回復しているわけではなく、市中金利上昇などで景気の伸びも鈍化するかもしれません。一方、物価は思ったほど上昇していません。
だから、「すぐに金融の引き締めをする必要はない」と、端的にいえばこういうことになります。
その上で、声明文では「FOMCは資産購入のペースを調整する前に、改善が持続的なものである証拠がもっと示されるのを待つと決定した」としました。
では、どれぐらい待つのか? それは次の文章に、少しヒントが隠されています。
「FOMCは今後、数カ月の間に入ってくる経済や金融情勢に関する情報を注意深く見ていく。いつ資産購入のペースを縮小していくかを決定するにあたって、入ってくる情報が、労働市場の状態の改善が進み、物価上昇が長期目標に向かって動いていくというFOMCの予測を引き続き裏付けるようなものであるどうかを今後の会合で評価していく」
つまり、「今後、数カ月は様子を見たい」と言っているような表現です。
現在は2013年9月ですが、数カ月となると、バーナンキFRB議長の任期が到来してしまいます。バーナンキ氏は自分の任期中は判断を留保し、次の議長に委ねると考えているのかもしれません。
■米株上昇! 為替では米ドル安が進んだ
今回の決定を受けて、金融市場の米ドルの流動性が依然として高いままの状態になるということから、株式市場は上昇。
(出所:米国FXCM)
一方、為替市場では米ドルが下落しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
米国の株式市場の好調さは、今後もしばらく続きそうな感じになってきたので、日本の株式市場もその恩恵を受けるでしょう。
(出所:株マップ.com)
ただ、為替市場は少し頭を整理し直す必要が…
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