(「プロも認める超人気アナリスト宮田直彦さん「年末から来春に向けて1ドル=105円」!」からつづく)
■ユーロ/円に上昇サイン!
前回の米ドル/円の見通しに続いて、その他の通貨ペアの見通しを三菱UFJモルガンスタンレー証券の宮田直彦さんに聞いていこう。
宮田さんは経済紙が行なうアナリストランキングの市場分析部門ではトップ3の常連。宮田さんの見通しは、FXトレーダーなら絶対聞いておくべき! 今回はユーロ/円だ。
「(前回)米ドル/円が三角持ち合いを抜けた、とお話しましたが、ユーロ/円も同じくリーマンショック後から作っていた三角持ち合いを上抜けました。目先は上昇が濃厚でしょうね」
米ドル/円と違ってユーロ/円が抜けたのは月足でのとても大きな下向きの三角保ち合い。単純に考えると、三角保ち合いの始点である139.22円がターゲットとなる。でも、ターゲットの話は後ほどまた。
■「ボラタイルサイクル」が年末年初に到来!って、なに?
前回の米ドル/円の見通しで宮田さんは「エリオット波動」を中心に分析してくれたが、今回、ユーロ/円の見通しの中心となるのは「サイクル論」だ。
相場には一定のリズムがある。米ドル/円の分析では10カ月ごとに安値をつける「10カ月サイクル」があるとされるが、ユーロ/円にもサイクルがある。
「サイクルには高値や安値だけでなく、値幅拡大などの時期が循環する『ボラタイルサイクル』もあります。ユーロ/円の場合は31~33カ月おきに値幅が大きくなったり、トレンドの転換が起こったりする傾向があります。
前々回はリーマンショック前に169円まで上昇してから急落しましたし、その33カ月後の2011年4月には94円まで下落しました。次のボラタイルサイクルがくるのは今年11月から来年1月。ここへ向けて、次のターゲットと考えられる1ユーロ=140円程度まで上昇すると見ています」
ここで宮田さんが挙げた1ユーロ=140円の根拠は、先ほどの三角保ち合いの始点となった高値。でも、それだけじゃない。
■ターゲットは黄金分割の「61.8%戻し」、1ユーロ=140円
「黄金分割からも140円がターゲットなります。リーマンショック前の高値169円から昨年94円の安値でフィボナッチ・リトレースメントを引くと、61.8%戻しの水準がおよそ140円なんです」
ちなみに、フィボナッチ・リトレースメントとは、「フィボナッチ数列」を使って、ある一定期間の相場の変動幅を予測する手法。61.8%はメドとして使われるフィボナッチ比率の一つ。以下の図でイメージしてほしい。
このように「三角保ち合いの始点」「フィボナッチ・リトレースメント」という異なるふたつの分析方法が一致するのだから確度は高いと考えられる。ちなみに今の130円水準はちょうど50%戻し。ここからもう一段の上昇があるとすれば、61.8%は妥当なターゲットとなりそう。
■2014年の4月には円高到来も
「1ユーロ=140円をつけたあとは、来春に向けて円高局面になると思われます。ユーロ/円は20カ月おきに安値をつけるサイクルがあり、前回安値の昨年7月から20カ月後が来年4月になるためです」
米ドル/円の見通しを聞いた前回で、「春先の円高に注意」と教えてくれていたが、ユーロ/円の見通しからも「春先の円高」となり、対ユーロでも対米ドルでも一致するわけだ。FXトレーダーにとって来年の春はとっても重要になりそう。
さらに気になる「豪ドル/円」、「ユーロ/ドル」の見通しは次回の更新で!
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