前述のように、米政府機関が閉鎖されている状況下で、対円でも米ドル安が進んだこともあり、米ドル/円は一時97.14円まで下落。
ただ、2013年度も下半期入りし、9月には出てこなかった新たなフローがマーケットに参入し、米ドル/円は下げ止まっています。
本日10月3日(木)は、本邦機関投資家や、欧州の長期プレイヤーも米ドル買いを持ち込んだようで、全体的に米ドル安地合の中、米ドル/円のみ米ドルが堅調で、97.77円まで反発しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
現状、米政府機関が閉鎖されており、リスクオフで円高に振れやすい環境下、米ドル/円の急騰も難しいのでしょうが、下半期入りし、機関投資家から新たな円安フローも散見されるため、米ドル/円の下値は限定的です。
■孫正義氏がティファニー銀座本店ビルを購入
為替から話題がそれますが、今週(9月30日~)のマーケットでは、下記の報道が注目を集めていました。
ティファニー銀座ビルをソフトバンクの孫社長が320億円で購入=関係筋
米高級宝飾店大手ティファニーの銀座本店ビル(東京都中央区)をソフトバンクの孫正義社長が320億円で購入したことが分かった。
複数の関係筋がロイターに述べた。
関係筋によると、買収金額から得られる期待利回り(キャップレート)は2.6%とみられ、アベノミクス効果への期待から東京都心の不動産価格が回復し始めて以来、最も割高な投資になるという。
日本の代表的な不動産投資信託(REIT)の期待利回りは、年初来4%ないしそれ以上の水準で推移していたが、2006年をピークとした不動産投資ブームの際は、投資家の過大な投資熱から期待利回りが2%台に低下。今回の孫氏の買収はその水準に近づいていることを示している。(出所:ロイター)
孫社長と言えば、米スプリント・ネクステル買収における為替を、82.20円でヘッジしたことで、そのリスクの取り方のうまさが業界でも話題になっていました。
その彼が今度はティファニー銀座本店ビルを購入したことで、不動産投資における、彼の手法が象徴的に報道されています。
つまり、今度は彼が日本の不動産といった、脱デフレ関連に注目しているということです。
■米ドル/円は再び上値を模索する展開が濃厚!
10月1日(火)の経済対策がなんら新味がなく、海外勢からは、法人税率引き下げに関して「the lack of detail regarding corporation tax(法人税に関する詳しい説明が足りない)」といった批判も出たアベノミクス。
ただ、コミュニケーションの巧拙は別として、前述の孫社長の不動産投資の報道により、日本は徐々に円安継続、デフレ脱却へ進んでいるということが、マーケット参加者に喚起された形となりました。
前述のように、米政府機関の閉鎖が長引いており、米ドル/円の上値を押さえていますが、アメリカのデフォルトリスクは限りなくゼロです。
米政府機関の閉鎖により、足元では96~97円台に反落する局面もあるのでしょうが、そのレベルで米ドル/円は底固めしてから、再び上値を模索する展開が濃厚でしょう。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)