昨日はアジア時間にイエレン氏のFRB議長が内定したとの報道が出て、マーケットは直前のニューヨーク市場とうって変わってリスクテーク の勢いが強まった。ドル円は97円台が定着してしまい、それ以降は積極的な下攻めはなくなった。次期の議長が決まったことで、市場の不透明材料がひとつなくなったことが純粋に好感されてのことだ。
私としてはイエレン氏は金融緩和の継続に前向きな人だと解釈しているので、やはりいずれはドル下落の引き金を引くものだと見ている。だからドルの上昇は一時的なものと考えている。だからドルがショートカバーで上がっているうちは売り込まないものの、どこかで売らなければという目で相場を眺めている。もちろん再度の下攻めがあって、96円台にでも逆戻りしようものならば、そこは確実に売り込んでいくつもりだ。
欧州時間ではそのリスクテークの勢いも鈍ってきた。イギリスの経済指標が悪くてポンドが下落したのも一因だが、原油や金といったコモディティ価格の下げがきつくなってきたからだ。原油は101ドル台まで下落し、ゴールドは1300ドルの大台を割り込むなど。リスク性の高いものの価格が下落することは、そのままリスク許容度の低下を意味する。
それまで堅調であったグローベックスでの米国株も失速。ユーロドルが下がってきたことにもよるが、ユーロ円の下げが目立つ状態となった。ユーロ円の下げ足は遅かったが、前日の安値近辺まで結局は落ちた。ドル相場に注目していた私としては、ちょっとビックリの展開だ。
ドル円は97円台のローを攻めたが、ついに97円割れは起こらず。私はFOMCの議事録をそれほども重視していなかったので、早々に寝ることにした。そしてその議事録だが、多くのメンバーが年内の緩和縮小と来年までの緩和停止、で意見が一致していたようだ。その瞬間にさらにドル高に振れたが、すぐに直前のレベルまで押し返されている。ユーロドルは1.34台まで突っ込んだが、こちらも押し戻されて終了。
ドル円は97円台のまま、今日のアジア時間を迎えた。早朝から邦銀勢も買いでついていったので、午前中からドル円は上がりっぱなし。昨日の議事録公開の直後につけた高値である97.64をも越えてきた。ドル円は97円台の後半で張り付き。ユーロドルが再び1.34台にまで下がって来ているので、純然たるドル買い相場ではある。
まあ、勝負どころは、今日も海外市場からだと思っている。しかしドル高の流れが止まるまではちょっと様子見を強いられるかもしれない。ドル円の5月高値と9月高値を結んだ下降トレンドの線が99円どころに位置しているが、これを上抜けするまではドル円のブル転はしないつもりである。
今晩は失業保険くらいしか指標がないが、本物の雇用統計が出ていない以上、これで反応するわけにもいかない。やはり米議会からの発言次第の展開が続くのだろう。しかしこの米議会の対立はかなり根も深そうだし、両者ともにまったく妥協する姿勢も見えないので、なかなか長引きそうだ。
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