金曜日の欧州序盤ではユーロドルの買いが出てきた。今年の最高値近辺にいるのだから、それだけでもユーロ買いの需要が高まっても不思議ではない状態。しかし前日もそうだったが、1.38台に乗せてきても走らないのである。ようやくに1.3830あたりまで高値を拡げはしたものの、そこからフォローしていくプレーヤーは少なかった。さすがに私もユーロロングでついていこうという気はしなかった。
ドイツのIFO景況感やイギリスのGDPが発表されても、あまりリアクションはなかった。アメリカの経済指標が相対的に注目度を失っているのと同様で、ヨーロッパでも関心が薄れてきたのかもしれない。ドル円は97円ちょうどを割りこんだりもしたが、そこはしっかりとサポートされ、特にドル売り一辺倒で傾くというような状態でもなかった。
アメリカの経済指標は耐久財受注のみ。もともとこの数字はブレが大きいので額面通りに反応しないものなのだが、最近の傾向の通りで、ますます反応しなかった。さてこうなるとニューヨーク時間では、米国株と長期金利の動向だけが頼りである。先週は週を通じて、株高と長期金利の低下が進んだ。
米国債の10年ものの利回りは2.5%を下回ってきたり、それを好感して株も買われた。株価も債券価格も同時に上がるという、いわゆる金融相場の様相を呈しているわけだが、こうなってくると長期金利の低下がどこかの時点で止まるのを確認しなければ、とても現在の流れは変わらないという感じがする。それまではドル安が続くだろうし、株価も歴史的な最高値を更新し続ける毎日となりそうだ。
そうした金利の動きで重要なイベントが、来週は並んでいる。水曜日にFOMC、木曜日に日銀会合がある。とくにFOMCは関心を集めている。金融性先に変更があるとはまったく期待されていないが、前回9月のFOMCのときになぜ緩和縮小に踏み切らなかったのかの理由めいたものが語られるかもしれないからだ。マーケットの流れが変わるようなサプライズがあるとしたら、そんなところだろう。
緩和縮小ということを意外にも深く声明文などで触れていようものならば、やはりテイパリングは年内にもありうるということになり、これまでと逆の動き、つまりドル高、株安、債券安が激しく起こるかもしれない。注意してかかる必要がある。またアメリカのGDP速報値や雇用統計は来週に円気になったので、週の後半はイベントが少ない。
さて本日のアジア時間でもあまり動きが出てこなかった。ドル円の膠着した動きは続き、東京時間の午後に入ると5ポイント程度しか動いていないという状況だ。米国株は連日のように史上最高値を更新していて、高値警戒感もある。ニューヨーク市場の引け後にはアップルの決算が発表になる。対円ではありドル安が進んでいない。ネガティブなものが出た場合、ドル円がようやく動き出すという感じなのかもしれない。
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