■米ドル/円も日経平均も狭いレンジ内推移でイライラ?
ここのところ、為替市場も株式市場もますます動きが鈍くなっています。米ドル/円相場も97円台から98円台の中に入り込み、日経平均も1万4000円から1万4500円の狭いレンジの中で推移しています。
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(出所:株マップ.com)
みなさんもイライラした日々を送っているのではないでしょうか? 現在の状況をいろいろ見てみると、残念ながら、こうした状態はまだ続くと考えておいた方が良いでしょう。
12月に入ってくると、ヘッジファンドの決算に向けたポジション調整が出てくる可能性があります。そのときになれば、動きが出てくるかもしれませんが、今のところ何かサプライズがない限り、相場は動きそうもない感じです。
■なぜ米国が金融緩和を続けるのは当然?
まず、米国の状況を見てみましょう。10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、9月と何も変化がなかったことは確認しました。
【参考記事】
●国内生保が外債投資を行っても、それが円安要因にならない理由とは?(10月31日、今井雅人)
つまり、当面金融政策は変更しないということです。その判断となっているもっとも大きな要因は、物価が上がってこないということです。
米国の消費者物価指数(除く食糧、エネルギー)を見ると、直近9月のデータで前年同月比1.7%となっていて、目標値である2.0%を下回っています。しかも、この状態が2013年の3月からずっと続いています。
つまり、金融緩和政策を続けているにもかかわらず、物価が上昇してこない状態になっているということです。
この米国の状況を見ると、日銀が現在、異次元の金融緩和を実施し続けていますが、今後、それがデフレ脱却に寄与するかどうかも、まだわからないということではないかと思います。
物価が上がってこなければ、金融緩和政策を縮小していく理由もないワケですから、FOMCで当面金融緩和を続けるのも当然です。これからもこの状態が続くのではないでしょうか。
■アベノミクスも効果薄に…相場を動かす材料に乏しい
日本を見てみると、アベノミクスの第1の矢は2012年後半から2013年の春先までは効果が出ていましたが、その後は、あまり効果が見られなくなってきています。
日経平均などの動きを見れば、それは明らかです。
(出所:株マップ.com)
また、第2の矢として実施した財政出動、すなわち2012年度の補正予算もかなり執行されてしまい、賞味期限が切れてきています。ここからは第3の矢が重要と言われていますが、安倍総理が「成長戦略国会」と言っていた割には、出てくる政策は、ややこじんまりしています。
それらが、現在の株式市場の気迷いを招いているのかもしれません。つまり、相場を動かすような材料がないのです。
唯一見つけるとしたら、ユーロ圏…
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