昨日はアジア時間でリスクテークが進んだ。日本株も高値引けしたのもあって、ドル円も104円台の後半で欧州市場をスタート。そのまま105円台回復も、時間の問題と思われた。そして実際に105円台には乗せてきた。しかしその後の伸びに欠けるものがあった。今年の最高値は2日に付けた105.44だが、これは昨年来の高値でもある。それでも市場全体は総ブルに近い状態なので、105.44なんか単なる通過点であるという見方も強い。
昨日は欧州時間にリスク外しのフローが出たようである。その原因は昨年後半のゴールドの崩れもあるが、今回は原油である。年末に100ドル乗せなんかを下手にやったものだから、リスクテークのロングポジションの積み増しも行われたのだろう。それが今年にはいって95ドル台を割り込んでくると、ちょっと様相が変わってきた。
とくにUKファンドなどの短期筋からは投げ売りが活発化してきて、それがマーケットのリスク許容度の頭を押さえた格好となっている。だから間接的にドル円やユーロ円の頭を押さえられることにもつながっているようだ。
そして週末に雇用統計を控えたこの時期、注目のADP指数が出た。結果はたいへん良くて23万人も就業者数が増加しているというものであった。久しぶりの20万人越えでもあったので、ファーストアクションはドル買いで反応。私も素直にドル円の買いでついていったのだが、105円台を少しなめただけで、ぜんぜん上がっていかない。
やはり欧州時間でのリスクオフの流れを気にしないといけないのかもしれないかなぁ。見ると原油価格は下がり続けている。まあ、上がらないものは持っていても仕方がない。ADPによるドル上昇は本当に瞬間的なものに終わってしまった。
その後ドル円は104円台の後半で推移。米国株も上がればよいのに、安くなってスタート。ニューヨーククローズ間際にシステム系の買いらしきものが入って、値を戻すことはできたが、いかにもリスクテークを嫌っているような一日となった。それを反映してか、昨年末によく見られたようなクロス円の急上昇といった展開は、まったく見られなくなった。
さて本日はイギリスやECBの金利会合がある。どうせ何も変更はないだろうと思われているが、ドラギ総裁の会見には注意を払っておく必要があるだろう。前々回にはサプライズの利下げをやっていることでもあるし、先月末にはドイツの財務相などの金利に絡んだ発言でユーロが急上昇した局面もあったので、警戒をしておくにこしたことはない。
基本的には明日の雇用統計を控えてマーケットは様子見姿勢に入ると思われる。昨日のADPでも市場の反応が小さかっただけに、今晩の失業保険ではマーケットは動かないだろう。早めに寝て、英気を養っておくのがよさそうだ。
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