最近のドル円は102円ちょうどをはさんでの動きに徹している。何か悪い材料が出て101円台に突入しても、やはりすぐに反発してしまうし、102円台の中盤に達しても、そこは絶交の売り場として売り込まれてしまう。つまるところレンジ相場になっているわけだ。
ユーロドルやポンドドルを見る限りは完全にドル安志向になっている。ドル円だけが下げ切らないのは、金融政策に対する奇妙な期待がまだ残っているためなのだろう。また事実、米国株がそれなりに高値を維持しているということもある。積極的なリスク回避にポジションを傾けるにはちょっと証拠不足ということなのだろう。
昨日の欧州序盤では102円台の前半まで下攻めして、ドル円はスタートした。米国株も極端に下がっているわけではないし、ロシアルーブルは最安値を更新していたが、トルコリラや南ア通貨はひどく安くなっているわけでもない。私もとても突っ込み売りする気にはなれない。レンジ相場と思って、どちらかというと101円台の後半は買っておきたいところだ。とりあえず101.75でビッドして待った。
イギリスの失業率が予想よりも悪かったので、ポンドが下落。ここ1週間はよくポンドが買われて続けてきたので、ちょうどよい売り場提供となったようだ。確かにポンドは売られたが、短期トレンドを変えるまでには下げていない。
アジア時間に今年の最高値をうかがっていたユーロドルも、ポンドドルの下落にツラれてやや軟化。このようなドルの上昇が、回りまわってドル円の下落を妨げた格好になった。私も101.96でドル円を拾ってみた。101.80を割れてきたら、損切りすることにする。さっきまで買いたかったレベルが自分の売りレベルに変わったわけだ。
そしてアメリカの経済指標。住宅着工はマイナス16%となって、事前の予想を大きく下回った。瞬間的にリスク回避の方向で動き出しそうになったが、ドルの下落は限定的。グローベックスの米国株の下げもほとんどなかったからだろう。また悪天候のせいだとされるのが目に見えている。
そして米国株が実際に始まってみると、確かにすぐに切り返しが始まって、歴史的な最高値に急接近となった。よくまあここまで買い上げるものだなぁと感心する。最高値というのはひとつのテクニカルポイントだ。しかも重要である。だとしたらそこを完全にクリアにブレークしてから買っていけばいいのに…。レジスタンスの直前を一生懸命に買うのは、なんともテクニカルを無視した買い方だ。
私としてはそこの場所はリスク資産に関してベアにならざるをえないポイントである。ドル円はもうちょっと上がるのかなぁと思いながらも、102.31でロングポジションをスクエアに戻した。私は寝てしまったがIMF報告が出て、新興国のリスクが長続きしそうとか、ユーロ圏のデフレリスクなどにも触れられていた。
これで米国株は反落へ向かい、クロス円がやや下落。FOMC議事録のなかでは緩和縮小が強く主張された内容であったことから、資産購入の対象である米国債は値崩れを起こす。ドル金利の上昇を好感してドル高が進むこととなり、ドル円は一日のうちでほぼ高値圏で終了した。
今日は中国の景況感が出て、これがまた予想を下回った。これは2、3週間前に起きたリスク回避の大きなうねりを思い起こさせることになるかもしれない。また新興国の通貨安にも注目が移るだろう。マーケットはすでにリスクオフになっており、ドル円は102円台を割り込んで推移する時間が長くなっている。
今度のドル円の101円台の後半は買うわけにはいかない。グローベックスでの米国株の動きを見ながらの相場展開が強いられるだろう。本格的な動きは欧州時間よりも後になりそうだ。今晩は重要な経済指標もいろいろある。
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