
(「バイナリー&FXで10万円→1000万円賢い主婦の為替市場攻略法って?」からつづく)
家事の合間にバイナリーオプションとFXを取引してる、ゆきママさん。前回はテクニカルを中心に話を聞いたけど、今回はファンダメンタルズによる取引から、レンジタイプのオプションの魅力まで聞いてみた!
■ファンダメンタルズのイベントや指標も取引材料に

「一日の取引開始前には経済指標やイベントなどファンダメンタルズの予定を見ておきます。そうしたイベントをきっかけにしてオプションを購入することもあるんです」
そう言ってゆきママさんが見せてくれたのは、「世界最大の機関投資家」と言われるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の新たな運用方針が発表された日のトレード。
これまでGPIFの運用はこれまで日本の債券が中心。それを日本や世界の株、債券に広げていこうという方向だから、為替市場にとっては円安材料となる。
「GPIFの新たな運用方針は、長期的には円安だと思いますが、短期的には発表とともに『材料出尽くし』で円安への期待感が剥落して、弱含むのかなと予想しました。そこで発表時間をまたいだ判定時刻で円高方向のオプションを買ってみたんです」
GPIFの発表前、86円で買ったオプションは発表とともに値上がりして467円に。そこで決済し、3810円の利益になったそう。
「このときは発表前に円安方向に動いていて安く買えたこともあって大成功でした。安く買えれば、それだけリスクも小さくできるので、『イベントや指標で反転するかも』と読みがあるときはいいやり方だと思います」

■主流はラダーだけど、じつは侮れないレンジオプション
「チャートを見ても方向性がはっきりしないときは、レンジのオプションを使うこともあります」
バイナリーオプションの基本はラダーだけど、レンジも使い勝手はいい。それに何より下記の表を見れば、レンジの魅力が伝わるはず。

これはバイナリーオプションを取り扱う3社の払戻率を比較した表。注目したいのは一番下、払戻率の平均だ。FXトレード・フィナンシャルで見ると、ラダーは約95%だけど、レンジは100%を超えているのだ!
払戻率が102%ってことは、全体で100万円分のオプションが購入されていたら、102万円の払い戻したがあったということ。FXトレード・フィナンシャルは損しちゃうことになるけど、投資家から見たら大歓迎だ!
■「トレンド相場ではラダー有利、レンジ相場ではレンジ有利」
「この数字は毎月発表されるので、気にしています。払戻率がなるべく高い会社で取引したいですし、もうひとつは相場の傾向と合わせてみることで、『どんな相場のときに、どのタイプが勝ちやすいか』傾向が見えてきます。GMOクリック証券だと、値動きの大きかった昨年末から1月にかけてラダーの損失口座割合が低いけど、値動きが小さくなってきた2月以降は増えてきて、その代わりレンジの数字が低くなっているな、とか」
先月の数字を見て、みんながラダーで苦戦していたようなら、無理せずレンジで取引したほうがよさそうと判断できるし、値動きが大きくなってきたらラダーを中心に、と戦略を立てられる。
「私は米ドル/円がほとんどなのですが、春以降とても値動きが小さくなっています。そんなときはレンジのほうが取りやすいかなと思います」
■レンジオプションでも未来チャートが役に立つ!
レンジオプションを使うときも未来チャートが参考になるそうだ。

「このときは3つの予想がすべてレンジ内の104円30銭から40銭の間に収まっていました。オプションは861円と高かったのですが、勝てる可能性も高いだろうと思って購入しました」
結果、見事にオプションは成立し、861円で買った10本のオプションは1万円に。ローリスクローリターンな取引になった。規制前に主流だったタイプに近いラダーを取引しがちだけど、レンジのオプションも魅力たっぷり。挑戦してみよう。
■「途中転売」の効率性はデータでわかる!
さて、規制前後で変わったのが途中転売の有無。以前も途中で利益確定や損切りのできる会社はあったが、規制後は全社で途中決済が可能になった。
「途中決済は、明らかなサインがない限り、しないようにしています。規制前に比べてみたことがあるんです、途中決済できる会社とできない会社のデータを。そうしたら、途中決済できない会社のほうが損失口座の割合が少なかった。途中決済はしないほうが効率的なのかなと思っています」
この傾向、今はどうなのだろう。全社で途中転売ができるようになった今だけど、FXトレード・フィナンシャルの情報が参考になる。この会社では「途中転売せずに判定時刻まで持った場合」のデータを公開している。ってことは、途中転売したときを含む全体のデータと比べることで、「途中転売の有効性」がわかるわけだ。
■途中転売したほうが損はしにくい
注目して欲しいのは左はじの列。「途中転売した人を含めた全体の損失口座発生割合」から、「判定時刻まで持っていた人だけの損失口座発生割合」を引いた数字だ。ここを見れば、途中転売した人がどんな結果になっているか、おおよそつかめるはず。

その結果は、途中転売を含んだ数字のほうが損失口座の発生割合が低くなっている。ゆきママさんがデータを見たときと逆だけど、でも、払戻率は判定時刻まで持っていたほうが高い。
「途中転売すると損はしにくくなるけど、投資効率は悪くなる」「判定時刻まで持っていたほうが投資効率は高くなるけど、損はしやすくなる」といったことが読み取れそう。こうした傾向、相場のトレンドなどによっても変わってくる可能性があるので、気になる人は毎月チェックしておこう。
■取引終了の「マイルール」が大事!
さまざまなタイプがあり便利なバイナリーオプション。大事なのは使い方だ。
「バイナリーオプションは忙しいときでも取引できるし、FXと合わせて使えば、とても便利だと思います。ただ、怖いのは熱中しすぎること。アツクならないようにルールを決めて、イケそうなときだけやるといいと思います」
ゆきママさんにもバイナリーオプションを取引するときの「マイルール」がある。
「FXに比べてバイナリーオプションはテンポが早い。どんどん次のオプションが発売されます。負けるときは焦って連敗してしまうことが多いので、『バイナリーオプションは1日1回』と決めて、買い過ぎないように気をつけています。そんなときは相場が合わないんだなと思って、翌日を待ちます」
負けたときにはついつい熱くなってしまいがちなバイナリーオプション。ムリな場面で買ってしまわないよう、「こうなったら、もう取引しない!」とあらかじめルールを決めておくのがいいのかも。
(取材・文/高城泰 2014.08)
バイナリーオプションについては、以下のコンテンツでも詳しく比較・解説していますので、ぜひご覧ください。
【参考コンテンツ】
●国内バイナリーオプション会社を徹底比較! 人気があっておすすめの会社は?
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