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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

約40%上昇! 史上最大の上昇周期にある
米ドル/円はすでに目標達成感たっぷり

2014年09月19日(金)17:38公開 (2014年09月19日(金)17:38更新)
陳満咲杜

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■米FOMCとスコットランド独立投票が円安を後押し

 円安はさらに大きく進行してきた。

 主な推進力は米FOMC(米連邦公開市場委員会)後、米利上げ前倒し観測が高まったことであり、また、もう1つの隠れた主役は、今さら指摘しなくても周知の事実だが、スコットランド独立投票ではないかと思う。

 スコットランド独立問題で英ポンドが急落していたが、先週(9月8日~)から、反対派優勢ではないかという観測が強まり、執筆中の現時点で判明している投票結果もその観測を証左するもので、英ポンドが大きく反騰してきた。

 ショートポジションの巻き戻しもあって、英ポンド/円はいち早く2014年年初来高値を更新しており、これが円全体の下落モメンタムを強めた側面を軽視できないとみる。

 英ポンドのロング筋にとって、スコットランド独立騒動は、まさに「塞翁が馬」である。

■FOMCの声明文は判断ミスを避けたいがゆえのマダラ模様

 もっとも、今回のFOMCは、タカ派・ハト派のバランスを取ったもので、「相当な期間」において金利据え置きと記す一方、来年(2015年)末の金利予想を高くした。言ってみれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の本音は判断ミスを避けたいということだから、こういったマダラ模様の声明文を発表したわけだが、市場はもっぱら利上げ前倒しの可能性に反応した。

 こういった前のめりが目先のレートに反映され、マーケット全体が結構「いいところ」、というか「踊り場」に来ていると思う。

ドルインデックス 月足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 まずドルインデックスは、2005年高値から引かれるレジスタンスラインに到達しており、一気に上放れを達成できれば、9年間に近い長いスパンで構築された大型トライアングルの打破を果たすから、米ドル全体のさらなる上値余地を拓くことになる。

 早晩、上放れを果たすとみるが、目先の米ドル全体の過熱感から考えると、一直線なブレイクは容易ではないとみる。換言すれば、米ドル全体は、スピード調整になりやすい時期に来ていると思う。

■ユーロ/米ドルにもスピード調整のニーズが

 同じ見方が、ユーロ/米ドルの週足でも確認できるだろう。

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 ファンダメンタルズ的に最弱のユーロであるが、米FOMC後も2001年7月安値から引かれるサポートラインを下回れずにおり、これから同ラインのトライがあっても、RSIのリバーサル・シグナルから考えて、一直線な下放れは回避できるのではないかと思う。

 ユーロ安というメイントレンドには変化はないが、スピード調整のニーズも相当高まっており、ユーロ/米ドルの短期リバウンドを視野に。 

■米ドル/円は目標達成感たっぷり

 肝心の米ドル/円は、以下の月足で示したように、2002年高値から2007年高値を連結するレジスタンスラインに到達し、目標達成感たっぷりである。

米ドル/円 月足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 より重要なのは、日柄、値幅を加味した視点では、目下の円安、「史上最大の円安」になっている疑いが濃厚ということだ。円安の行きすぎが示唆されている。

 もっとも、1995年安値から2011年安値まで、米ドル/円は15~16年サイクルを描き、2011年安値を新たな15~16年サイクルの起点と見なした場合、2011年の戦後最安値から今までの上昇は正当化できる。 

米ドル/円 月足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 1995年安値から米ドル/円が急上昇したように、米ドル高・円安は必然的で、またスピードを伴うものだ。

 しかし、過去の相場をよく見てみるとわかるように…

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