昨日の欧州序盤では、ドル円は107円台のミドルまで押し込まれ始まった。ユーロドルも1.27台の後半と、ドルの全面安である。前日の議事録の影響で、ドル金利の先高観が払しょくされたためだ。ユーロドルは5月から下落傾向が続いている。これはドラギ総裁が「6月にも行動を」と利下げを示唆したためだ。
そのユーロドルは1.4000目前にしたあたりからずっと下げ続けて、1.2500まで下落。この半年近くの間で安値からマックス戻しは200ポイントまでだった。それがとうとう300ポイントまで戻ってきた。これは今までにないことだ。ユーロの戻しには、ちょっと要注意である。
すぐにドルの買戻しが入った。ドル円もユーロドルも30ポイントほどもドル買いが進んだ。はたしてここはドルの売り場かどうか。ドル円に関してはアジア時間で108.20あたりまで何度も戻している。107.90ビローではちょっと売りづらい。同じ売るにしても108円台に乗せてからのほうが、ストップ注文が近くに置きやすい。ユーロドルに関しても、アジア時間にもうちょっと下まであったので、ドル売りを仕掛けるには中途半端だ。ニューヨーク時間まで待つことにした。
BOE(英中銀)は変更なし。予想通りなのでマーケットは反応しない。しかしちょっと経ってからドルが下げ始めた。ドル円の安値となった107.53はこの局面でつけたもの。私は前日の安値が107.77までだったので、そこを抜けた瞬間に売り込んでみたのだが、10分ちょっとで戻り始めたので、過ぎに買い戻した。10ポイントしか取れなかった。それでもこのときはこれが日中の安値になるとはわからないわけだから、依然としてドル売りスタンスで構えている。
ニューヨーク勢はドル買いで入ったようだ。ドル円は108円乗せを目指し、ユーロドルは1.27台割れを目指す。これまでの動きよりもアクティブな展開となった。最近は為替相場の値が軽い。だから大台が変わっても不思議ではない状態が続いている。
そこへドラギ総裁やラガド専務理事から、欧州経済に対する懸念が示された。そもそも欧州序盤に発表されたドイツの貿易収支でも輸出の伸びが悪かった。そこへ持ってきての欧州に関する心配。マーケットはブルーになって完全なリスク回避に向かうこととなった。米国株は軟調。しかしドルは高いまま。
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