昨日の欧州序盤では、クロス円の売り圧力が強まった。欧州株が下げ幅を拡大し、それにともなうリスク回避の動きが強まったためである。このところドル円は106.70から107.30を中心に動いているのだから、下がってきたドル円を売ってみる。107.12だった。これでもうちょっと株安からのリスクオフが進めば、ドル円も106円台に突っ込むだろう。ユーロ円の下げが主導してくれれば、何もいうことはない。
そしてやっと107円ちょうどを割り込んできた。それは18時発表のドイツの景況感がどうせ悪いとみての動きなのかもしれない。実際にZEW指数は予想よりも悪くて、久しぶりに見るマイナスの結果。この時点を境に、逆にドル円もユーロも下げが止まった。まだ反発はしていないものの、下がらなくなったのが面白くない。やはり今週の安値や先週の安値の位置を、かなり意識しているのか。一段安を期待して106.95で買い戻しのストップ注文だけ置いておいたのだが、これがダンになった。
グローベックスでの米国株も安値模索をしていたが、ニューヨークオープンを前にやや切り返し。本格化する米企業決算を期待してのことだろう。しかしシティやJPモルガンなど、金融関係の決算がいくつか出たが、結果はマチマチである。マーケットとしては反応しきれない。途中、ドイツ政府が今年と来年の成長見通しを下方修正したのにも反応薄であった。
昨日はそれ以上の材料がないので、早々に就寝した。そして朝、起きて、ドル円がコアレンジをどちらかにブレークしていたら驚くところだったが、寝る前と同じようなレベルだった。朝イチで昨日の高値を超えてきたものの、アジア時間においてもずっと同じようなレベルにステイしていることに変わりはない。
それにしても先週あたり、つまり月初の雇用統計がで終わった直後からの世界的なリスクオフは、ドイツに根ざしているだけに始末が悪い。ドイツが悪いということは周辺の国はもっと悪いということになるからである。そしてドイツにここを直せと言える欧州の国はない。
3年ほど前の欧州危機でユーロドルは1.20台まで下げたが、存外とすぐ近くである。ポルトガルやアイルランド、ギリシャの問題よりも、今回のほうが問題の根が深いように見える。1.20台も通過点にすぎないかもしれない。
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