昨日の欧州序盤ではドル円は120.30アラウンド。これはアジア時間ではズルズルと下がってきた状態であった。上値が重いのを確認した後だとわかっていても、なかなかドル円をここから積極的にショートにしていくわけにもいきづらい。とりあえず目先は年末が高値引けするという根拠の薄弱なリスクテーク期待だけが高まっているからだ。
しかるにドル円の押し目買い意欲も強い。2012年と2013年が株価もドル円、ユーロ円もほぼ一年の高値圏で引けたのは、解散総選挙によって政権交代が起こったからであり、またそれに続く大規模な金融緩和もあったからだ。今年もそうなるだろうという淡い期待のほうが異常にまで強いのが、マーケットの今の弱点といえるかもしれない。
もう私は今年は基本的にノーディール政策を決め込んでいるので、マーケットは時おり眺める程度に徹しているが、ドル円やユーロ円が高値圏で年末を迎えるのかどうかだけはとても関心がある。年足で上ヒゲなしの陽線で終わろうものならば、やはり来年の年初からのマーケットの動向にも、影響を与えずにはすまないからである。特にテクニカル面からのアプローチではなおさらそうだ。
でも昨日は暗い話題は事欠かなかった。注目されたギリシャでの投票では大統領を決することができず、それによって欧州株は下落を強いられた。米国株も軟調に始まったが、それでもすぐに反発。歴史的な最高値に急接近することで、だれもリスク回避を急ごうとするプレーヤーはいなくなった。
また途中で原油相場が崩れて52ドル台にまで突っ込んだが、それでも株価は崩れなかった。それで気を強くしたものか、ニューヨーク時間では総じてドル買いが強まった。ユーロドルは今年の最安値も更新して、ドルは全面高に。ドル円も120円台のミドルアッパーで終了した。
しかし欧州時間に入るとなかなか割れなかったドル円が120円台を割り込んできて、119円台前半にまで下落してきている。悪い材料が出てきてもすぐに何食わぬ状態でリスクテークモードになるということを繰り返して来た。昨日はギリシャにも原油価格にも米国市場では反応を見せなかったが、その様相が変わってくるのかどうかキープウィッチ。
日本時間 17時15分
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