昨日の為替相場では、朝はドル円が120円台後半から始まり、いよいよ年末に向けて高値引けの準備をしているのかと思われた。昼間の間に121円台に乗せて、夜の時間帯で今年の最高値を更新、そんなシナリオで進むのも止むをえないのかとも思われた。なにしろ昨年も一昨年も年末にラリーして、高値引けしているのだ。足元の金融政策も変わっていないのだから、一部にそのような期待感が高まるというのも仕方のないところだ。
しかしアジア時間ではドル円の伸びは見られなかった。日本株が大きく値を下げてきたからリスク回避になったというのもあるが、やはり年末期待でのポジションがつみあがってしまっていたせいのほうが大きいだろう。つまり期待だけでとても高いところのドル円を買って持っている人々がそれだけたくさんいたということだ。
欧州序盤ではついに120円の大台割れ。ストップロスを誘発して、簡単に119円台の前半まで落ち込んだ。ちょうど原油価格が52.70という、今年の最安値を更新していた。それにともなってロシアの通貨も下落。それがマーケットに不安を与えたのは明らかだ。円の買い戻しという安全志向にシフトしたともいえる。
原油相場が下げ止まっても、もはやドル円は大きく戻す力はない。アメリカの経済指標で景況感が予想を下回ったとなって、そのタイミングでドル円は118円台まで突入。118円台に滞在したのは、ほんの短い時間でしかなかったが、ちょっとリスクテークにポジションを傾けるのには消極的にならざるをえないような下げ方だった。
今晩で今年も最後。アジア時間の後半はドル円はややショートカバー気味ではあるが、原油価格は53ドル台で、安いところに張り付いたままである。注意しておきたい。
日本時間 15時20分
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