■早ければ今年、ユーロ/米ドルはパリティを達成か
そもそもスイス中銀の降参は、ユーロ安を見込んでいるところが大きく、ECB(欧州中央銀行)のQE(量的緩和)策発動があれば、自力で相場を支えられないと悟ったところが大きいとみる。
したがって、マーケットが「ECBが来週(1月19日~)にでもQEに踏み切り、また、その規模も想定よりかなり大きいのでは…」という疑心暗鬼に支配されたことが、昨日(1月15日)のユーロの総崩れをもたらした。
スイス中銀が自らの信用を傷つけてまで政策の修正を行ったから、ECBのQE実施が間近ということは間違いないだろう。問題はその実施時期だ。
ウワサどおり、来週(1月19日~)、QEが実施されるなら、ユーロの一段の大幅下げを覚悟しなければならないが、逆にいったん見送りされた場合、すでにかなり深刻なオーバーシュートの状況にあるユーロはまずスピード調整(反騰)してくるだろう。
しかし、ECBのQEが実施された場合、早ければ今年(2015年)、ユーロ/米ドルはパリティ(1ユーロ=1米ドル)を達成するという市況を想定しておきたい。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
■ユーロ/円は息の長い下落トレンドに
リンクするように、ユーロ/円の見通しも修正せざるを得ない。2012年安値を起点とした上昇波は、昨年(2014年)にてトップアウトし、今年(2015年)は息の長いベア(下落)トレンドとなることを想定しておきたい。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
■米ドル/円は10円程度の調整も覚悟すべき!
そして、マーケットの疑心暗鬼が円買いを加速させた上、これが米ドル/円の動きに波及していくだろう。
本コラムで指摘したように、米ドル/円は基本的には昨年(2014年)年末高値から6~8円の調整幅を想定していたので、目先、引き続き下値リスクに注意しておきたい。
【参考記事】
●米国利上げが米国株バブル崩壊を招く?NYダウに2007年10月と同じ反転サイン!(2015年1月9日、陳満咲杜)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
その上、スイスショックでマーケットの変動率が大きくなっている以上、10円程度の調整も覚悟すべきか。市況はいかに。
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