■目先のユーロ/円の暴落は行きすぎとは言えない
ECBの量的緩和がユーロ安を「正当化」したならば、円の独歩安を終焉させ、かつ2014年12月高値までのオーバーボートに対する修正という意味合いにおいて、2015年年明けからのユーロ/円の暴落も「正当化」でき、目先の水準は必ずしも「行きすぎ」と断定はできないだろう。
前述のように、ユーロ安トレンドのいったんの底打ちはギリシャ情勢次第と言えるものの、それは不確実性が高いから、基本的には後ズレの可能性が大きい。したがって、ユーロ/円もさらなる安値打診を覚悟する必要がある。130円ではなく、128円台の打診なしでは落ち着かないのではないだろうか。
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■ドルインデックスの上昇は95.90あたりで一服か
もっとも、米ドルの全面高自体は、2014年5月安値からほぼ一本調子で進んできた上、2015年の年明けからさらに加速してきたから、オーバーボートの疑いが濃厚。これが近々一服してくる可能性もある。
ドルインデックスの月足から考えて、2001年7月高値を起点とした全下落幅の半分押し(約95.90)の打診があれば、目標達成感が漂うだろう。
(出所:米国FXCM)
一方、仮に米ドル高の早期一服があっても、諸通貨の不確実性からして、消去法で米ドル買いしか選択肢がないから、スピード調整はあっても限定される見通しだ。
ゆえに、当面ユーロ安の一服があっても、何らかの材料なしでは大幅なリバウンドも想定しにくいから、ユーロ安を通じた円高圧力も継続される公算が高い。息の長いユーロ安・円高サイクルは、少なくとも春先まで米ドル/円を押さえ込む要素として無視できないだろう。
■英ポンド/円、豪ドル/円の修正も過剰に続く可能性大
さらに、円の独歩安が2014年年末まで長く続き、また、円売りがもっともオーバーシュートだったから、ユーロのみでなく、英ポンドや豪ドルなどの外貨の円に対する修正も、「行きすぎ」と感じる程度まで続くだろう。
2015年年初来、円を除いた英ポンド、豪ドルなども米ドル全面高の受け皿の役割を果たしているから、当面その構図が維持される見通しだ。市況は如何に。
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