■日経平均はリーマンショック前の高値水準を回復!
みなさん、こんにちは。
2015年に入ってからのグローバルな金融緩和合戦は株価にとってポジティブ要因。
【参考記事】
●金融緩和競争を米国が静観する理由は? ドル/円は底固めから122円へ向け上昇か(2月5日、西原宏一)
●通貨安戦争からスイス脱落、カナダ参戦! ECBのQEが予想どおりならユーロ反発も(1月22日、西原宏一)
堅調に推移し続けてきた日経平均は、ついにリーマンショック前の高値水準である、1万8300円台を回復しました。本日(2月19日)の日経平均の高値は1万8322円。

(出所:株マップ.com)
世界を震撼させたリーマンショックにより急落した日経平均ですが、アベノミクスが始まって以来、上値を追い続け、ついに全戻しの展開です。
■FOMC議事録の「international developments」とは…?
日経平均が大きく値を戻す中、米ドル/円は低調。2014年12月8日(月)に121.85円まで急伸するも、そこがレジスタンスになり、2015年に入ってからは、120円台でもなかなかステイできません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米ドル/円のリーマンショック前の高値は124円ですので、このところの米ドル/円は、日経平均の動きに追随できていない展開。

(出所:米国FXCM)
この要因として、以前、当コラムでご紹介した「米国はどこまで米ドル高を容認するのか?」という懸念が少しずつ拡大していることが挙げられます。
【参考記事】
●通貨安戦争からスイス脱落、カナダ参戦! ECBのQEが予想どおりならユーロ反発も(1月22日、西原宏一)
本日(2月19日)早朝に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で注目されたのが、1月会合の声明文から盛り込まれた「international developments=国際情勢」が何を意味するのかという点。
一般的に、これは欧州の景気動向や中国経済の減速、そして、原油安を指していると言われていますが、本日(2月19日)公表された議事録では、米ドル高に関するコメントが見受けられたことで、米ドルの上値を抑えることに。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 30分足)
FOMC議事録の詳細を見ると、米ドル高継続のリスクを指摘したのは、わずかな人数(a few)。そのため、米ドル急落は避けられています。
ただ、「international developments」が意味することのひとつが、米ドル高ではないかという点が、市場にさらなる米ドル高に向かうことへの警戒感を起こさせています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
■米ドル/円は75日移動平均線を割り込むかどうかがポイント
グローバルな通貨安戦争の相対として、一気に通貨高を受け入れていた米ドル、つまり米国ですが、ここにきて、さらなる米ドル高を警戒するコメントが続くようだと、米ドル/円もいったんの調整を警戒する必要がありそうです。
テクニカル面に目を向けると、米ドル/円は昨年(2014年)の夏頃から、75日移動平均線に支えられて上昇しており、本日(2月19日)の75日移動平均線が位置するところは、118.42円。
このレベルを日足ベースで明確に割り込むかどうかがひとつのポイントです。

(出所:米国FXCM)
■日経平均が上値を伸ばせるかもポイント
今後、日経平均がさらに上値を伸ばせるかどうかもポイントのひとつ。
日経平均が1万8300円を超えて続伸するようなら、米ドル/円は117~120円のレンジに、日経平均が頭打ちとなってしまうようだと、レンジ下限が115円まで下がり、さらに115円を割り込んでしまう可能性もゼロではないかもしれません。

(出所:米国FXCM)
昨年(2014年)の日銀のバズーカ2から、順調に上昇を続けてきた、日経平均と米ドル/円ですが、今後の動向を見極める上で、米国当局のコメントに注目です。
【参考記事】
●「黒田バズーカ2」が炸裂! 米ドル/円は短期でも中期でも買い! サポートは110円(2014年11月4日、西原宏一&松崎美子)
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