先週末はアメリカの雇用統計の日だった。アメリカの利上げの時期が問題になっているが、よほど大きなサプライズでも出てこないと、見通しは変わらないだろう。FRBのイエレン議長が様子をじっくりと見たいという姿勢を崩していないからだ。それも雇用統計は月に一度のビッグイベントであることには変わりがない。したがって欧州時間では様子見が続くものと思われた。
しかしユーロドルが1.10台で安値張り付きをしていたのが、ロンドン勢などの仕掛け的な売りが引き金となって、その前日の安値である1.0987を下回ってきた。そして投げ売りのストップロスを巻き込んで下げ幅を拡大。1.0930あたりまで安値をつけた。私としては雇用統計で勝負しようと考えていたので、この欧州序盤でのユーロドルの安値攻めにはビックリである。
雇用統計が発表される直前のレベルとしては、ドル円は120円台をちょっと割り込んだところ、ユーロドルはやや底値から戻してきての1.09台の中盤だった。週を振り返っても、ドルの高値圏で指標を迎えることになったわけだ。
為替相場はわかりやすかった。発表と同時に急激なドル高へ。ドル円は120円台の後半までジャンプし、ユーロドルも1.09台の前半まで押し込まれた。私は欧州時間での安値を下抜けしたらうりこんでみようかなと思っていたのだが、下げ足はとっても速かった。売りのストップ注文は置いていなかったので、自分で追いかけて売りにいくしかない。
ようやく私が売れたのは1.0897だった。ここまで安いとあまり恐怖感はない。瞬間芸ですぐにストップ注文が置ければ、それで問題はない。速攻で1.0915でテンポラリーの損切りだけを設定していたが、その間にも相場は安いほうへ進む。
だがユーロドルは1.0870を割れたところから急速にリバウンドが始まった。そのステージで私も1.0874で買い戻した。すぐに1.09台まで見ることになったので、よく買えたものである。それでも当初、自分が置いていた買い戻しのレベルである1.0915にすら届かない。やはりもう一度、売り攻めだろうと思って、売り場探しに専念する。何度かユーロドルをショートにしては、10ポイント抜くの繰り返しとなった。
かなり後になってから経済指標の中身を確認した。就業者数が29万人台の増加となって、失業率も5.5%とかなりの改善を示した。だから利上げ時期の早まることがマーケットの憶測となったのだろう。ドル金利は上昇しており、利上げを嫌って株価は下がっている。まさしく金融相場の様相だ。ユーロドルの下げはニューヨーククローズまで続いた。そしてそのまま安値引けとなった。
週明けの今日からはアメリカが夏時間入り。早朝のユーロドルの振る舞いが気になった。金曜日に200ポイントも下がって安値引けしているのだから、飛んでマドを空けて始まっても不思議ではない。確かに早朝のセッションでは1.0825あたりで始まったようだ。20ポイントほどのギャップだ。しかしアジア時間にかけては完全にマドを埋めきっている。夕方からの欧州勢の動向も注視したい。まだまだユーロドルは戻り売りスタンスで構わないだろう。
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