週明けの昨日のマーケットでは、ギリシャ問題で大きく動いた。アジア時間の早朝では、まずはドル円もユーロ円も下がった。つまりクロス円の直撃相場となり、リスク回避で素直に動いたことになる。ギリシャが国民投票するのだから、もはや月末30日のIMFへの借入返済は行わないということ。だからユーロ売りがファーストアクションになって出てきてもおかしくはない。
でもここ2、3か月に揺れに揺れてきたギリシャ問題では、ユーロの上げ下げに反応するのではなく、最終的にはドルの上げ下げにつながっていることが多かったのも事実である。ギリシャ問題が悪化すればドル売りに、前進したり先延ばしに成功すればドル買いになるというものだ。だから朝いちでのユーロドルの下げにはついていきたくはなかった。そのうちドル売りポーションのほうが強くなって、ユーロドルに限っていえば上昇圧力にさらされるのではないかと考えたからだ。
その点ではドル円の下げは合理的であり、突っ込みやすい。特にテクニカル的にも黒田発言での押し目である122.46をも下回ってきたりもしている。どこまで押し戻すかはわからないが、為替相場全体の中でのドル売りの流れがはっきりしてきたときには、ドル円のショートと攻めがいいのではないかと思った。
ドル円もユーロドルも早朝のセッションで安値を付けている。ドル円は122.10あたりまで、ユーロドルは1.0955まで。そこを抜けきれずに欧州市場へシフト。ドル円は122円台の後半まで戻してきており、ユーロドルは1.10台の後半まで戻してきている。どちらも100ポイント以上も底値から戻しているが、それでも依然として先週末のニューヨーククローズから見れば、100ポイントくらいは安いところに位置している。
ドル円が123円台に乗せてくる局面もあったが、それはショートカバーだろうとも思われる。だから123.01でショートに振ってみた。まだショートカバーが続くようならば、即座に損切りである。20ポイントも待たない。思い入れのないポジションだからだ。そうこうするとユーロドルがとても堅調になってきた。
ユーロドルは1.11台に乗せてきたのもすごいが、欧州時間の間はひたすら買われている。やはり当初の自分の思惑通りで、ギリシャ問題の悪化はユーロドルの上昇につながってしまうのだろうか。仮にユーロドルが急騰しても、その分は自分のポジションを潤してくれるはず。
ドル円は123円ちょうどを軽いレジスタンスにして、高値張り付きのままニューヨーク市場へ。アジア時間の早朝はグローベックスセッションで米国株も大幅安をしていたが、その下げ分の約70%ほども戻し切ってのニューヨークオープンとなった。よくもこんなに戻したものだと思いたいが、それでもラリーしたのはここまでだった。
ギリシャサイドからの何ら前進したニュースが伝わってこないし、マーケットはすぐにリスクオフに転じた。ドル円もやや下げ気味となり、ユーロドルは1.12台を目指す動きとなった。私はポジションを持ち越したくなかったので、寝る前に122.66で買い戻してやめた。その後はユーロドルもドル円もいっそうのドル安に向かうこととなった。
今日はいよいよギリシャのIMFへの返済日である。しかしすでに昨晩、ギリシャ首相が返済はできないだろうと述べているので、実際にデフォルトしても大きな騒ぎにはなりそうもない。事態は既に次のステップに進んでおり、日曜の国民投票の行方が気になるところ。いかんせん、7月と8月には大きな返済が待ち構えており、それに向けてのギリシャ政府の姿勢を左右するからだ。今晩も観測記事も含めたギリシャ情勢からは目が離せない。
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