先週の金曜日は、為替相場は狭いレンジにとどまった。ドル円は120円台で50ポイントの値幅に収まった。しかしニューヨーク市場ではややドル売りが優勢となったこともあり、ユーロドルは1.13台まで上がってきて終了した。ユーロドルは週足で見ても高値引けだといえる。
ところで先週はマーケットの値動きがかなり沈静化してきた。為替相場も一時期の大きなブレのあった状態から脱しつつある。ドル円も1日で5円以上の急落を見せていたときは相場が不安定であったが、先週の後半は一日でも値幅は50銭ほどに収まるなど、プライスアクションにもしっかりとしたものが戻ってきている。マーケットは値固めの段階に入ったのかもしれない。
値固めというのは、何も底値だけ、つまり下サイドのことだけではない。上サイドにも当てはまるものだ。ドル円が120円アラウンドで定着してくると、今度は121円なんかに上がっても絶好の売り場と見えるようになる。つい先ごろまでは124円台とかをやっていて、それが下がって122円台に突入したら押し目買いの絶好のチャンスだと思っていっていたのとは、市場参加者のレベル感が違ってきたということだ。
要するにステージが新しいところに変位したのだ。まだ120円台にじゅうぶんに目が慣れていない状態では、この前までの124円台とかが頭にこびりついていて、そこまで戻るのではないかという思いから、その分だけ買い向かっていくのにも恐怖心が薄い状態となる。だから結果として買われやすい相場展開が続いた。でもいったん値固めが終わってしまうと、もう戻ることはない。新規な好材料がないとダメな段階に入ったのだ。
今週の最大イベントはFOMCであろう。それまでは様子見の姿勢が強まるだろう。マーケットはますます動きづらさを示し、動意に欠けることになりそうだ。大きな動きになれてきただけに、狭いレンジ内での取引にはなかなか対処するのは難しい。
ポジション量を再び元の水準にまで大きくするのも、判断が難しい。水曜日まではドル円は119円台に入ったら買い、121円台があったら売りというスタンスで構えるしかないだろう。つまり120円台が中心の値動きになるだろうということだ。
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