2015年10月30日(金)、日本銀行(以下、日銀)は金融政策決定会合を開催し、追加緩和を見送った。これにより、為替市場では円全面高となっている。
もし今回、日銀が追加緩和を実施すれば、ちょうど1年前、2014年10月31日(金)以来となるところだったのだが…。
【参考記事】
●「黒田バズーカ2」が炸裂! 米ドル/円は短期でも中期でも買い! サポートは110円(2014年11月4日、西原宏一&松崎美子)
●ザイFX!で2014年を振り返ろう!(2)【相場:後編】黒田バズーカで円安進む!
今回の追加緩和実施の可能性は五分五分だった…
今回の日銀の追加緩和実施の可能性についてだが、市場関係者の間では予想は五分五分だった…。
まず、日本の7-9月期GDPがマイナス成長となれば、4-6月期に続き、2期連続のマイナス成長でリセッション(景気後退)入りしてしまうということで、市場関係者の間では追加緩和観測が高まっていった。
ところが、日銀会合が近づくにつれて、麻生財務相が追加緩和に否定的な発言を示したほか、安倍首相のブレーンである浜田宏一内閣官房参与も「日銀が自ら動く必要はない」とインタビューに答えるなど、追加緩和の必要性はないとの発言が相次いだ。
これを受けて、今回の日銀の追加緩和は見送られるのでは…との見方が拡がり、市場の予想は五分五分になっていったというわけだ。
西原宏一さんと松崎美子さんが対談形式でお届けしている「FXほっとLINEで作戦会議」では、西原さんもこうした日本政府要人の発言を引き合いに出し、日銀の追加緩和は見送られるのでは…との見方を示していた。
【参考記事】
●1~2円下落か? あるいは3~4円上昇か? 日銀追加緩和の有無でドル/円はどう動く?(10月27日、西原宏一&松崎美子)
また、今井雅人さんも、黒田日銀総裁は、今回追加緩和はあまりやりたくないというのが本音なのでは…との見方だった。
【参考記事】
●米FOMCで年内利上げ期待高まりドル高! 黒田日銀総裁の追加緩和に対する本音は?(10月29日、今井雅人)
そして、陳満咲杜さんも、以前から、日銀が目先、実際に追加緩和に踏み切る可能性は高くないとの見解を示していた一人だった。
【参考記事】
●市場からの「倍返し」を警戒。甘い認識は捨てよ!ドル/円は115.89円へ向け始動!?(10月16日、陳満咲杜)
こうして見てみると、ザイFX!執筆陣の中では、日銀の追加緩和は見送られるとの見方が優勢だったわけだが、それが的中したというわけだ。
日銀の追加緩和発表後は円全面高
この日銀が追加緩和を実施せずと発表したこと受けて、金融市場では円全面高となり、米ドル/円は、120.90円台から、一時、120.30円付近まで急落した。
ただ、その後は短時間のうちに急反発し、13時05分現在、120.80円付近でもみ合っている。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 5分足)
西原さんは、先ほど紹介した記事の中で、もし日銀が追加緩和を見送った場合、米ドル/円は1~2円程度下落する可能性があるとしていた。
【参考記事】
●1~2円下落か? あるいは3~4円上昇か? 日銀追加緩和の有無でドル/円はどう動く?(10月27日、西原宏一&松崎美子)
そして、日銀の追加緩和見送りを受けて、日経平均も急落し、一時、前日比100円超の下落となった。しかし、その後はやはり急反発し、13時05分現在では前日比プラス圏に浮上している。
(出所:株マップ.com)
なお、今回の追加緩和発表で大きな動きを見せた米ドル/円だが、FX会社の中では、スプレッド0.3銭程度で取引できる口座も非常に増えている。最新の米ドル/円スプレッドは以下の比較コンテンツでチェックできるので、ご参考に。
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:取引コストで比べる「米ドル/円スプレッドの狭い順」
(ザイFX!編集部・庄司正高)
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