昨日はアジア時間でも株価は大きく上がって、その後の急落。まったくリスク相場に振り回されている格好だ。株はグローバルに安いのだが、為替相場へのダウンサイドリスクにはだんだんと鈍感になってきているようにも思える。
ドル円もユーロ円もなかなか下がっていかないのだ。株や債券市場がとらえているほど、為替相場は恐怖やパニック感を感じていないということなのだろうか。
昨日も欧州序盤では、大きく株安が進んだ。グローベックスでの米国株が安値突っ込みをしているので、日経先物も15780円まで差し込んだ。これは昼間に日本人が買い進んだ高値のレベルが16780円だったことを考えると、1000円幅もの急落である。
その間にドル円も1円くらい下がってきているのだが、いかにもスピードが遅い。しかもフレッシュローというわけでもないので、緊張感はまったくない。私もドル円をショート攻めしてみているのだが、損はしないものの、痛快なトレードというわけにもいかない。
そして欧州時間ではやや株の買い戻しも見られ、ドル円やユーロ円は次第にメクレ上がってきた。やはり夜のECB会合の後のドラギ総裁の会見で、何か新しいことを言ってくれるのではないかという期待があるのだろう。ドル円は117円ちょうどを挟んだ展開となり、積極的な下攻めはしなくなった。また原油相場も落ち着いている。
ドラギ総裁は前回の12月会合での失望もあって、会見ではかなり言葉を選んでいたようにも見える。それでも追加緩和の必要性を示し、かつ、3月会合と時間も切ったことで、マーケットでは緩和期待が強まった。ユーロの緩和なのだから、まずはユーロ売りで動いた。
ユーロドルは100ポイント強の下落をして、ユーロ円やユーロポンドなど、ユーロクロスはみんな安い。ユーロ円は126円台の前半と、昨年の安値に迫る勢いとなった。かなり遅れて株価も上がってきたので、リスクテークの流れも出てきた。
ドル円も117円台でしっかりとした動きを呈して、クロス円も上がってきたので、つまらなくなって私は寝ることにした。早めに起きて、ニューヨーク時間ではどのように消化されたかを確認して手を出したほうがよさそうだ。
緩和によるユーロ安は、リスクテークによるユーロ円などの買い戻しに巻き返されてしまった。ユーロドルは1.07台まで差し込んでいたものの、結局は1.09台まで巻き返されている。ドル円もいつ118円台に乗せてもいいくらい、高値張り付きだったが、東京時間の午後に入ると大台に乗せてきた。
今晩もリスク重視だ。株価と原油相場のみがマーケットを動かすだろう。リスク性の高いものは一服している感が強いが、いつ下攻めしてもおかしくはない状況だと認識して、マーケットに臨みたい。
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