昨日はアジア時間でドル円が114.20まで突っ込んで、欧州序盤にかけては大きくショートカバーしていた。アジア時間では日本株が大幅安になるなど、とかくリスク回避に勢いが強まった。とくに円債がマイナスの利回りゾーンに入ってきたことが大きい。
本来ならば長期金利の低下ということで、リスク資産にとっては好材料のはずであるが、マイナスの利回りがマイナスだとどうなるのだろうかという不安心理を増大させた方が効果が大きかったようだ。
それに反して欧州市場では、前日に問題になったドイツ銀行のクレジットがなんとかなりそうだということになった。観測記事ではドイツ銀が問題の社債の早期償還を計画しているということだ。それでリスク回避の動きはやや鎮まり、ドル円も115円台まで戻したのである。
しかし市場のウワサでは115円台のミドルから116円台にかけて、このところ逃げ遅れた人々のオファーが大量に存在していることになっていた。それが実在するかどうかは、実際にそこまで行ってみないとわからない。
そして最近あまり話題にされなくなった原油相場だが、これが30ドルの大台を割り込んできた。安いのに慣れてしまっていたマーケットは、これに飛びついた格好となった。米国株は下げ基調が鮮明となって、ドル円は再び115円台を割れてきた。なんだか115円ちょうどをはさんで、行ったり来たりしているだけだ。
それでも原油相場のスリップはそのうち、株価の下げ要因にもなるだろうと考えて、私はドル円を114.95から売りこんでいった。こうなったら115円台に乗せたら、買い戻してロング転してもよいかもしれない。つまり115円ちょうどをネックラインのように扱うのだ。それより下で推移しているか、上で推移しているかである。
ニューヨーク勢の参入で、ドル相場は一段安した。経済指標は特段、何もなかったが、日本に引き続き、米国債も大いに買われて、長期金利が低下している。ドル保有の魅力が薄れることも、ドル安を助長している。ドル円は114.35あたりまで下がって、すぐに戻してきた。私もやや遅れたが、114.53で買い戻した。すると日付の変わる頃には、ご丁寧にも再び115円台まで戻し切ってしまった。
その後もドル円は115円ちょうどを挟んでの一進一退が続いている。今日の東京市場では株安によるリスクオフが強まり、ドル円は114円台の前半まで差し込んでいる。値動きはチョッピーだが、コアレンジは外していない。こうした値動きは今夜も続くのであろう。しかし夜中にイエレン議長のスピーチがあるので、いちおう要注意だ。
もちろん市場を安定させることしか言うはずがないので、何を言ってもマーケット・フレンドリーなことしか言及しない。しかしこれはみんながわかっていることなので、期待を大きく持つのも厳禁だろう。もしもドル円が上がるのであったならば、もうすでに上がっていてしかるべきだからである。
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