昨日の夕方にベルギーで爆弾騒ぎがあった。最初は事故なのか、テロなのか、わからない。グローベックスでの米国株を見ても、それほども下がっているわけでもない。債券相場も大きく質への逃避が起こっているわけでもない。しかしユーロ売りは強まって、1.12台を割り込んできた。リスク回避という観点からも、ユーロ円も安い。
しかしそれほども大きな値動きにはなっていない。ドル円も111.50を割ってはきたが、それ以上は進まず、111.70あたりでステイ。テレビなどで現場のニュースを見ると、空港や地下鉄で同時多発的に爆発は起こったようだ。不明だった事実がだんだんとわかってくるにつれて、リスクオフの傾向は弱まっていった。
マーケットもテロ騒ぎには慣れてしまっているのだろう。いつもほおっておけば元のレベルに戻ってしまうので、騒ぎだけでポジションを傾けようという意欲が減退してきているのだ。
ドル円はそのまま安値圏での張り付きとなって、111円台中盤での小動き。そしてユーロドルはまったく動かなくなってしまった。ニューヨーク市場では原油相場も株価もほとんど動かず。テロでも何もリスクオフが起こらなかったということで安心感を得たのか、ドル円はニューヨーク時間の午後からはショートカバーがメインだが、大きく買い戻された。
そして昼間の高値も超えてきて、112円台をキープしている。ユーロドルはもっと動くと期待されていただけに、実際にはニューヨーク時間で20ポイントほどしか動かなかったのはビックリものである。私もユーロ絡みでウオッチしていたので、ユーロドルでは何もできなかった。
テロが起こっても強烈なリスクオフにならなかったことで、マーケットは安心感を得ているようだ。それで今日になってリスクテークの勢いが強まっている。ドル円やユーロ円は買いものがちとなっており、なかなか下がらない。
こうしたショートカバーが続いているようならば、先週から続いているドル円のダウントレンドの変化の契機になるかもしれない。テロが起こっても結局はその反動のほうが大きいというのが、過去10年以上に及ぶ経験則なのである。ただ今回は記憶に新しいパリとの比較でより耐性が出来ていたのか、そもそもさほどリスクオフにはなっていない。ともかくキープウオッチだ。
日本時間 15時10分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)