昨日の欧州序盤では、ドル円は112.40あたりだった。これは前日の動きから見ても高い水準である。アジア時間を通じて112円台にステイしていたので、堅調だったといえる。問題はこの後。いかにも113円台に向かって上がっていっても、重そうなのである。
それは先週の下げが効いている。下げてしまった後には、戻っても逃げのオファーがヤレヤレ感で待っているからだ。そうした連中のオファーをこなさないと、上サイドに突破できないのは明らか。それがわかっているだけに、ように上値追いについていくわけにはいかないのである。
そして夕方に日本政府の経済見通しで、景気の先行きが下方修正された。材料を欲していたマーケットはそれに飛びついた格好となった。すなわち円売りである。ドル円は112.50を超えてきて、上値攻め。ニューヨーク勢の参入することには112.90あたりまで上がってきて、さらなる上値を目指す展開となった。
4月利上げの話も議論されだしたが、為替相場がドル高に傾いているわけではない。ユーロドルがほとんど動かないのだ。ドル円が上がるよりも、ユーロドルが100ポイントとか下がるはずなのである。だからここは円相場を中心に考えないといけないところ。特にリスクのありようには要注意だ。
そこでこのところ連騰を続けてきた米国株が軟調な地合いに転じた。これがニューヨーク時間を支配することとなった。原油価格も40ドル割れ。マーケット全体のリスク許容度はますます下がり、ドル円も利食い売りが優勢となった。ニューヨーク終盤には欧州序盤のレベルまで押し込まれてしまっている。
今日のアジア時間では再び円売りが活発化している。しかし今晩の海外市場のほうが重要だろう。欧米は金曜日からイースター休みに入るので、連休モードになってしまう。だからここしばらくでたまったポジションの整理が進行すると思われるからだ。
日本時間 15時50分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)