■英ポンド/米ドルは、イースター休暇前の調整にはほど遠い
豪ドル/米ドル以外に、2016年の第1四半期に注目された通貨ペアといえば、英ポンド/米ドルと米ドル/円。
【参考記事】
●日銀マイナス金利導入が円高・株安誘引!? ドル/円急落の裏で何が起こっていたのか?(2月18日、西原宏一)
●月足終値で1.40ドル割れなら31年ぶり! 英ポンドを暴落させたボリスショックとは?(2月25日、西原宏一)
英ポンド/米ドルに関しては、原油相場の反発とともに、今月(3月)すでに大きく調整されています。
それに加えて、ベルギーで発生したテロ事件が、英国のEU(欧州連合)離脱の是非を巡る6月の国民投票に向けて、EU離脱派を勢いづけていることから、イースター休暇前の調整とはほど遠い相場状況…。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
■米ドル/円は113円台回復が調整のカギを握る
そして、マーケットに警戒感が出てきたのが、イースター休暇直前まで下値トライを繰り返していた米ドル/円。
今月(3月)は本邦の期末を控え、公的年金の断続的な日本株買い・米ドル買いがマーケットに持ち込まれた模様ですが、日本株こそ一時回復するも、米ドル/円に至っては、114円台も回復せず、先週(3月14日~)は再び110.67円まで急落しています。
【参考記事】
●ドル/円は公的資金の買いも上昇できず。110円台半ば下抜けなら104~105円へ(3月22日、西原宏一&松崎美子)
先週(3月14日~)末と今週(3月21日~)前半までに、欧米勢は米ドル/円で何度か110円台ミドルをトライするも、イースター休暇前に抜け切れず…。
テクニカル的には110円台ミドルでトリプルボトムを形成した状態で、イースター休暇目前という展開になっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
そして、長期休暇で大きなリスクを取りたくない欧米短期筋から、まさにイースター休暇直前の3月23日(水)以降、米ドル/円の買い戻しが目立ってきました。
加えて、某米系銀行は、中期では米ドル/円の下値目線は変わらないものの、調整で117円程度まで戻るとのレポートを出し、マーケットで話題になっています。
この米系銀行は、2016年年初から米ドル/円の110円までの下落を予測していて、その銀行が中期は別として、短期的な反発を示唆していることで注目されているのです。
ともあれ、日足のTDシーケンシャル(Sequential)(※)もカウントダウンを終了し、イースター休暇を控えて、いったんの反発が示唆されています。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
もっとも、豪ドル/米ドルと違い、米ドル/円の上値は重く、値幅を伴わない時間調整に終わってしまう可能性もあります。
一方で、前述の豪ドル/米ドルの調整(=豪ドル売り・米ドル買い)が深くなり、イースター休暇を挟んで、全体的に米ドル買い戻しの相場展開になれば、米ドル/円の調整も値幅を伴う可能性があるため、短期のヘッジファンドは1カ月や1週間の米ドル/円のオプション購入を急いでいる模様。
米ドル/円の調整が値幅を伴うものになるかどうかは113円台を回復できるかどうかがポイント。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
イースター休暇を控え、調整相場入りした豪ドル/米ドルと、ヘッジファンドが短期のヘッジに追われている米ドル/円の動向に注目です。
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