■目先のサポートレベルは105.195円!
さて、ここからの動きでありますが、スピード調整としての多少の円安方向への動きは途中あるかもしれませんが、基本的には今の流れが続く可能性が高いのではないでしょうか。
たとえば、米ドル/円では、2014年10月31日に、日銀の追加緩和とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオ変更を同時に行った10.31ショック(「パンプキン緩和」とも、「黒田バズーカ2」などとも呼ばれている)により、一気に上抜けした2014年10月1日の高値110.09円を完全に割り込んできています。
あくまでもチャート上の話にはなるのですが、チャートポイントが下抜けした次のメドは、2014年10月15日の安値105.195円が目先のサポートレベルとして意識されることになると考えられます。
【参考記事】
●金融市場に衝撃が走った3つの要因とは? ドル/円は年内に120円まで上昇の可能性(2014年11月6日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
■円高を止めるようなプレーヤーは見当たらない
2015年までの円高局面ではGPIFなどの公的年金資金による円売りが出てきて、流れを止めるということが繰り返されましたが、今回はそうした円高を止めるようなプレーヤーが見当たりません。
新年度入りしたことで、長期資金の新規買いも予想されてはいますが、通常4月中旬から下旬にならなければ、こういった買いも期待できない状況です。
また、2015年夏のチャイナブラックマンデー時と同様に、中東筋が日本株をまだ売るという観測も浮上してきています。
【参考記事】
●驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで株高・円安の流れが変わる可能性も…(2015年4月2日、今井雅人)
●中国ブラックマンデーから衝撃の急落劇! 戻りの弱い米ドル/円の上値メドは?(2015年8月27日、今井雅人)
こうした環境を勘案しても、なかなか、現在のリスクオフによる円高傾向の流れを変えるのは難しいのではないでしょうか。
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