■予想よりも早くレンジが崩れてしまった
前回のコラムでは、依然としてレンジ相場が続くのではないかという見方をしていましたが、結果は、かなり円高が進行しています。
【参考記事】
●イエレン議長発言で米ドル高ムード一変もドル/円、111円台へ下落はあまり想定せず(3月31日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
2016年年初より、「2016年は円高・株安の1年」という予想をしていましたので、方向性としては間違ってはいないのですが、当面は材料難でレンジ相場が続くと考えていたので、自分が考えていたより早くレンジ相場が崩れてしまうことになってしまいました。
【参考記事】
●急激な円高は一服か。けれど2016年は強気相場にならない。1月に日銀追加緩和も…(今井雅人)
■円高・株安が進んだきっかけは日銀短観の結果
きっかけは、何だったのか。
3月29日(火)のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の利上げに対しての慎重な発言が米ドル安をもたらしたということの影響が、先週、3月31日(木)に当コラムを公開した段階での私の予想より大きかったということかもしれません。
しかし、それ以上に影響が大きかったのは、4月1日(金)に発表された日銀短観の結果ではなかったかと思っています。
短観の内容はひと言で言えば、非常に悪いです。
最近の景況も軒並み悪化していますが、それ以上に先行きの景況感の悪化が著しくなりました。
たとえば、製造業で見ると、大企業は前回に比べマイナス3、中堅企業でマイナス7、中小企業でマイナス2。非製造業で見ると、大企業は前回に比べマイナス5、中堅企業でマイナス8、中小企業でマイナス7となっています。
■アベノミクス始まって以来! 日経平均7日間続落…
これが日本株に効きました。
日銀短観発表の当日(4月1日)、日経平均は555円安となり、その後も軟調に推移しています。
(出所:株マップ.com)
昨日4月6日(水)まで7日間続落という、アベノミクス始まって以来の不名誉な記録が達成されました。
これが、リスクオフの状況を作り出し、為替市場でも円高傾向が鮮明となってきたのだと思っています。
その結果として、米ドル/円だけでなく、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)においても円全面高となってきているということでしょう。
さて、ここからの動きでありますが…
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